国土交通省国営昭和記念公園事務所は2024年度の当初予算で、所管する国営4公園の整備や維持管理などの事業費として57億5900万円(前年度比26%増)を確保した。このうち明治記念大磯邸園(大磯町)では、30億9900万円を計上し、旧大隈別邸の改修や庭園整備などの工事を実施する。
明治記念大磯邸園(大磯町)は、旧滄浪閣(伊藤博文別邸)、旧大隈重信別邸、陸奥宗光別邸跡などがある邸園で、全体面積は約6・3f。大磯町東小磯地内に所在する。明治期の立憲政治確立の舞台となった場所で、歴史的遺産を保存・活用するため建物の改修や庭園の整備を行っている。20年11月に第1期として旧大隈邸、陸奥別邸跡の庭園部分が開園。現在も25年度の全面開園を目指して工事を進めている。24年度は7月までに旧大隈邸と旧陸奥邸などの建物の修繕を終え、造園工事に入る予定だ。
全面開園時は包括民間委託により建物の点検・補修、植物の管理、入園料徴収などの業務を任せる方針。22年度にサウンディングを行い、7者が対話に応じ、包括民間委託で歴史的な建物を利用したレストラン、カフェ、物販販売などの収益事業を提案した。24年3月の納期で日本工営都市空間・日本工営JVが事業手法や業務内容を検討した。今後、大磯町との役割分担を考慮しながら、公募内容を詰めていく。
提供:建通新聞社