不動産事業、ファンド事業、シニア事業を展開する共生バンク梶i東京都千代田区二番町12―3グレイス麹町2階)は9日、「GATEWAY NARITAマスタープラン発表会」を東京都千代田区の帝国ホテル3階扇の間で開催した。GATEWAY NARITAは、総延べ床面積約38万uの複合施設。今後は、2025年秋の建築着工に向け、同年6月頃までに造成工事を完了する。26年12月までに一部施設を完成させ、開業準備を開始。27年3月末には、商業複合施設と、街のランドマークとなる「デジドーム」を開業する予定。マスタープラン設計は、Laguarda.Low Architectsが手掛けた。
計画地は成田市小菅で、成田国際空港から車で3分の距離に位置している。敷地面積は、東京ドーム約10個分に相当する約45・6ha。
「世界中から、NARITAを目指して人々が集まる、観光と産業のゲートウェイ」として▽商業複合施設▽ランニングトラック▽デジタルエンターテインメント施設・デジドーム▽デジタルホテル▽冷凍冷蔵庫貯蔵倉庫▽フードテックR&D複合施設(国際展示場、国際会議場、キッチンスタジオを含む)▽駐車場棟▽バスターミナル▽R&D施設と連携した日本食マーケティングレストラン▽周辺施設と連携した新交通システム――などで構成し、年間400万人の集客を目指す。
日本版フードバレー構想を具現化する施設を設置し、日本食の輸出拡大とグローバルコールドチェーンの構築を目指す研究開発が行われる。
デジドームは、スクリーン面積6000u、客席数5000席超のグローバルスペックアリーナ。世界トップレベルの高解像度と音響を備え、カーボンニュートラルに対応する。
デジタルホテルは、成田エリア最大級の客室数となる。客室内には、デジドームのコンテンツを楽しめる大型ディスプレイを設置。ホテルと商業複合施設を結ぶ「ウエルネスリング」は、アバターと競うことができる500mの円形トラック。
敷地全体で雨水を回収・ろ過し、植栽への散水などに再利用することで、上下水道の負荷を低減し、電力と温室効果ガス排出を削減。
大型バスターミナルをデジドーム前広場の地下に配置し、発着バース20台を確保。また、周辺駅との連携を図り、東京都心部との接続を強化する。
混雑ポイントを可視化し、スムーズな行動を可能にするため、各所にグローバルな言語対応のコンシェルジュを配置し、デバイスでも情報が受け取れるようにする。
建築設計者は決定していないが、建築デザインにはLaguarda.Low Architectsが携わる。また、建築施工者については、基本設計や実施設計などの進捗が図られた段階で、見積もり合わせなどによって決定する考え。
発表会では、江島康仁・共生バンク且幕ニ開発本部本部長が今後の事業スケジュールを説明。「開発のスタートとなる地区計画の決定から4年ほどを費やし、マスタープランの策定を進めてきた。成田市の新しいランドマークとなる、グローバル水準のマスタープランが完成した」と所感を述べた。
重松健・Laguarda.Low Architects共同代表(inspiring dotsファウンダー)は、マスタープランの概要を説き、「周りの環境への配慮が付加価値となり、建物の中だけでなく、外にもにぎわいが出てくる。地元の人と新しく訪れる人が自然と出会うような環境をつくっていきたい」との思いを語った。
施設運営の企画コンサルタントを担っている前田三郎・潟Lョードーファクトリー代表取締役社長(潟Lョードー東京取締役)は、デジドームについて「完成後、20年くらいは同等の性能のアリーナが日本にできることはないと思う。注目され、アーティストから『一度歌ってみたい、一度上演してみたい』という欲求が出てくるものと考えられる」との見方を示し、「ぜひとも、計画を全面的にバックアップしていきたい」と力を込めた。