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建設新聞社
2024/05/15

【東北】週休2日実現と適正工期を/東北整備局と日建連東北が意見交換

 東北地方整備局と日本建設業連合会東北支部(勝治博支部長)との意見交換会が13日、仙台市の江陽グランドホテルで開かれた。双方は今年4月から時間外労働罰則付き上限規制が始まったことを踏まえ、その対応が大きな課題との認識を共有。日建連側は完全週休2日の実現と適正な工期設定を求めた。

 意見交換会には東北整備局から山本巧局長、上森康幹副局長、宮本健也企画部長など幹部16人が出席。日建連からは勝治支部長をはじめ副支部長、各委員長など13人が一堂に会した。
 開催に当たり山本局長は今年4月から時間外労働の上限規制が始まったことを踏まえ、「まだまだ改善すべきところが多いので、忌憚ない意見を聞き改善につなげたい」と話した。
 勝治支部長も時間外労働上限規制について「元請け、専門工事業者ともに大きな課題」と応じたほか、「大型半導体工場の宮城県進出などにより東北の経済が活性化する一方、若手人材の獲得が厳しくなる」との見方を示した。
 意見交換は▽公共工事費の安定的、持続的な確保の重要性▽働き方改革について▽担い手の確保について▽工事事故防止への取り組み―の4テーマに沿って行われた。
 公共工事費について日建連は安定的かつ持続的な執行と、適切な規模と工期を確保した上での発注平準化を要望。さらに国土強靱化実施中期計画の早期策定、社会資本整備について国民の理解促進、他の産業に負けない担い手確保に向けた広報・啓蒙活動の強化を求めた。
 働き方改革については、時間外労働上限規制に伴う完全週休2日の実現と、上限規制順守を前提とした適正な工期設定、現場の実態を踏まえた柔軟な工期の変更と経費の増額、フレックス工期の導入、工事書類や作成マニュアルの運用徹底と明確化を要望した。
 東北整備局は発注者指定型週休2日工事について市町村の75lが実施していることを説明した上で、残り25lの市町村には県や発注者協議会を通じて継続的に働き掛けるとした。また、今年度から本官工事で原則発注者指定による月単位の週休2日を導入しているほか、完全週休2日実施工事は総合評価の工事成績評定に反映するとした。
 このほか整備局は書類簡素化や当初設計の精度向上に務めるとともに条件明示を徹底。当初時に予見できない事態が受注後に発生した場合は設計変更審査会、ガイドラインに基づき設計変更する。
 担い手確保については、日建連が労務単価の引き上げやCCUSの推進を要望。整備局はCCUSの登録や能力評価を推進する必要があるとした。具体的メリットについては経験技能情報に基づく処遇改善の促進、現場監理の効率化などを今後CCUS推進協議会で提示する。東北での推進協議会実施は秋以降になる見込み。地方公共団体に対しては引き続き活用拡大を呼び掛ける。
 工事事故防止については日建連が本年度の取組として安全パトロール実施の予定などを説明。整備局は本年度の事故防止対策を説明する一方、日建連側にパトロールの充実による安全対策の徹底を要請した。また、安全対策の一環としてi―Con2・0の取り組みを紹介した。

 提供:建設新聞社