神奈川県県土整備局は、2024年度に新たに5カ所の無電柱化事業に着手する。このうち国道467号(藤沢市片瀬海岸1丁目)の測量と、都市計画道路座間南林間線(座間市座間1丁目〜入谷西2丁目)の予備設計を第1四半期中に発注する。県の管理する道路約1080`のうち無電柱化率は2%(23年度末時点)にとどまっており、工事に向けて準備を進める。
県は22年3月に「神奈川県無電柱化推進計画」を改定。19・6`に当たる26カ所の新規事業の着手を目指しており、このうち16カ所の事業に取りかかった。過年度からの継続事業では、17カ所が実施中だ。23年度末時点で、県が管理する道路のうち25・4`の無電柱化が完了している。
無電柱化推進計画の計画期間は25年度まで。災害対策本部や災害拠点病院周辺などの「防災」、市町村の重点整備地区や乗降客数の多い駅などの「安全・円滑な交通確保」、主要観光地などの「景観形成」の三つの観点から優先的に進める。
無電柱化では電線共同溝方式を採用する場合がほとんどだ。18年度からは電線類を埋設する際の深さの基準を緩和し、20a浅くできるようにするなど、コスト削減に向けて検討を進めている。浅層埋設方式や小型ボックス活用型埋設方式はより低コストだが、他の埋設物でスペースが取れなかったり、経費がかさんだりするなど課題もあり、県の事業では採用に至っていない。
24年度に新たに事業化する路線は以下の通り(▽路線名@事業箇所A概要B発注事務所)。
▽国道467号@藤沢市片瀬海岸1丁目A路線測量B藤沢土木事務所
▽(都)座間南林間線@座間市座間1丁目〜入谷西2丁目A予備設計B厚木土木事務所東部センター
▽県道73号(小田原停車場)@小田原市城山1丁目他A測量調査B県西土木事務所小田原土木センター
▽国道134号@横須賀市根岸5丁目他A現地測量B横須賀土木事務所
▽国道129号@厚木市岡田〜南町A委託一式B厚木土木事務所
提供:建通新聞社