県土整備部は、県外業者向けの建設工事に新たな入札方式「簡易評価U型総合評価」を試行導入する。県内に営業所を構える県外企業に優位性を持たせ、産業振興につなげる狙い。今夏にも発注する水貫川排水機場ポンプ設備が初適用となりそう。
同部は試行概要をまとめ、5月連休明けに順次、各関係団体に説明した。
同部発注の県外向け工事は、価格競争が主体となっているが、総合評価を活用して県内に営業所や工場を持つ企業を優遇し、雇用の確保を後押しするほか、新たな企業進出の支援に結びつける。
当面の試行対象は「鋼橋工事」と「機械器具設置工事」。評価項目は県内企業に適用する簡易評価型をベースに、工事成績のほか「受注件数」「営業所等の所在地」を新設。工事成績は、国と本県のほか、近隣の近畿、中国、四国の各府県にまで実績範囲を広げる。
受注件数は「4×(1―県工事受注件数/2)」の算定で評価。「営業所等」は建設業法に基づく営業所、工場の有無に各1点を配点する。
試行概要は7日、県建設業協会に示しており、特に異論は出されなかったという。同部は今年度、鋼橋工事と機械器具設置工事(ポンプ設備)各1件の試行を想定し、「来年度以降は試行結果を踏まえて拡充を考えていきたい」(県土総務課)と話している。近く試行要領を固め、業界団体に通知する。
日刊建設工業新聞