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建設新聞社(長崎)
2024/05/14

【長崎】高島水産研究所 取水井戸など整備

長崎大学海洋未来イノベーション機構
   25年度以降100d・20d水槽に循環システム設置
研究所の現況

 長崎大学は、旧長崎市水産センター高島事業所(長崎市高島町)の既存施設を活用して再整備を進めている「高島水産研究所」について、本年度、取水井戸や配管ピットなどの整備を実施。来年度以降、100d水槽や20d水槽への循環システムの設置を進め、2026年度には第1段階の整備を終えたい考えだ。


 同事業は、21年に科学技術振興機構の共創の場形成支援プログラム(COI―NEXT)として、海の食料生産を持続させる養殖業産業化共創拠点を形成する「ながさきBLUEエコノミー」の一環で整備。

 長崎大学の海洋未来イノベーション機構では、人工種苗によるブリの生産体制を構築し、履歴が明確で環境負荷の少ない『JAPAN鰤』を実現し、マーケットの開拓・海外展開につなげたい考えだ。

 高島水産研究所は、この実現に向けた、ブリの人工種苗の供給を目指している。23年度から整備に着手し、これまでに仮設の取水・配水設備の稼働(100d/時)と、温調設備を一部整備。ことし3月からブリの稚魚の飼育を開始し、4月には親魚の養成も始めた。

 現在稼働中の施設は、旧高島事業所内の8施設中の2施設内の4つの水槽(稚魚―20d水槽×2、親魚―20d水槽×2)。本年度は、敷地西側の岸壁近くに、海水の浸透水を取水する井戸を4本整備。毎時200d取水する。併せて、ろ過機の増設と、稚魚育成水槽への加温システムの整備を行う。
高島水産研究所の配置図
 25年度以降も、親魚の養成と採卵を目的とした20d水槽と、親魚の養成用の100d水槽に対する循環システムの整備を進め、26年度にはブリの人工種苗を供給する体制を整える見通しだ。
 残る既存施設については、研究に賛同する事業者などの協力・参画を得ながら改修・再整備を進めたい考え(最終的な整備規模は今後検討)。さらに、研究者や学生らが宿泊できる施設や飲食できる施設の整備を、島内事業者の理解・協力を得て進め、高島をサイエンスアイランド≠ノする構想を掲げている。
ksrogo