環境省が進める「脱炭素先行地域」に選定された京都市の取り組みとして、市有地活用型脱炭素街区エリアに指定されている左京区岩倉の市営住宅跡地に14戸のZEH仕様の脱炭素街区が誕生する。5月12日にモデルハウスがオープンした。
京都を中心に不動産開発事業を展開する且R中商事(代表取締役山中隆輝氏、京都市南区吉祥院石原堂ノ後西町32)が、京都市の市有地売却により令和4年2月入札で三宅第一市営住宅跡地を取得した(市が設定した予定価格は3億9830万円で、同社が6億1220万円で落札)。同年3月売買により、同社に所有権が移転した。
所在地は京都市左京区岩倉南三宅町39−1外2筆で、面積は3308・59u。なお市は「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の戸建て住宅を売買契約締結後5年以内に竣工すること」などを売却条件に付していた。
山中商事の「composition colors iwakura」は、全14戸から成る街区。第3種風致地区に指定され、建ぺい率40%や建築物自体に厳しい規制が設けられた中で、ZEH仕様という高性能と岩倉の土地柄に合った高い意匠性を兼ね備え、街全体がデザインされた分譲地の新たなスタンダードモデルを目指す。
区画数は建築条件付14区画で、宅地面積は192・62u〜265・74u。用途地域は第一種低層住居地域(建ぺい率40%、容積率60%)。高度指定は10m高度地区。
モデルハウス(F号地)は、敷地面積265・26uに2階建、延153・36u(建築面積104・83u/1階床面積92・09u、2階床面積61・27u)。細長い小道をくぐり抜けた先に、ダイナミックな土間が広がる家となっており、2階から比叡山が一望できる。
設計は京都工芸繊維大学でデザイン・建築学教授を務める長坂大氏(Mega(京都市左京区))が担当。