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建通新聞社(中部)
2024/05/13

【愛知】名鉄 24年度設備投資計画に360億円

 名古屋鉄道(名鉄、名古屋市中村区名駅1ノ2ノ4)は5月10日、総額360億円の2024年度設備投資計画を明らかにした。名鉄グループ全体の設備投資額は982億円。23年度設備投資計画から名鉄単体では17・2%、グループでは13・3%増となった。事業別では中核の鉄道事業に227億円、不動産などの開発事業に114億円、アプリ開発などその他事業に19億円を充てている。
 鉄道事業では、例年通り「安心・安全輸送確保」と「駅・車両の快適性・利便性向上」の二つを柱とした。23年度に引き続き、知立駅(名古屋本線・三河線)と喜多山駅(瀬戸線)、若林駅(三河線)、苅安賀駅(尾西線)の4駅付近で高架化工事を実施する他、大規模地震に備えた高架橋柱の耐震補強を実施する。
 ホームドアの設置を計画中の金山駅では、10月から2025年3月ごろまでの約6カ月間で実証実験を行う予定。またAIを活用した踏切監視システムの導入や、28年度までに全車両へ防犯カメラを設置する方針などを掲げた。
 開発事業では、東岡崎駅前再開発の第2弾となる北口複合施設の開発や、神宮前駅西街区再開発計画の推進、1月に閉館した名鉄一宮駅直結の駅ビル「新一宮駅ビル」の大規模修繕などを盛り込んだ。

【名駅周辺再開発には言及せず】
 本年度に計画の方向性を示す予定となっていた名古屋駅周辺の再開発事業は、今回の設備投資計画では言及がなかった。ただ、担当者によると「金額や内容は公表できない」としながらも、開発事業の中に計画として盛り込んでいるようだ。
 同日に開いた決算説明会では、24年度の営業収益を23年度から738億799万円(12・3%)増の6750億円、営業利益を同52億5000万円(15・1%)増の400億円と予想した。不動産関連の営業収益を23年度から165億9400万円のプラスとした一方、賃貸マンションの修繕コスト増などを理由に、営業利益は11億6700万円のマイナスとなる見通しを示している。
 その他、店舗運営など流通事業の中間持株会社として7月1日付で名鉄リテールホールディングス(名古屋市中村区)を設立することも発表した。設立後は名鉄生活創研(名古屋市中村区)とオンセブンデイズ(豊川市)の親会社となり、フランチャイズ事業や独自ブランドの展開などのかじ取りを担うこととなる。


提供:建通新聞社