成瀬ダム建設事業のマネジメント委員会が10日に開催され、事業費を現計画の約2,230億円から370億円増の約2,600億円、工期を8年度から9年度に1年延長する第4回変更案が示された。事業費は社会的要因で約243億円、現場条件の変化によるもので約97億円、将来の事業費変動要因への対応で約64億円の増が必要としたほか、コスト縮減で約34億円を減額するとしている。
今回の変更は、働き方改革関連法に基づく適切な工期の確保で工期延長が必要となったほか、令和2年度の基本計画第3回変更時点に比べ5年度の資材単価平均が19.9%、公共工事設計単価が9.1%の大幅増となったことなどが主な要因。工期延長により、製造設備などの設置期間が延長されたことも増額の一因となっている。
成瀬ダムは東成瀬村椿川に台形CSGダムとして建設するもので、計画規模はダム高114.5m、堤頂長755m、堤体積4,850,000㎥。現在は堤体打設の第2期を進めており、打設の完成率は85%となっている。
今年度は、WTO案件として取水ゲートの設置工事(概算工事規模8億1,000万円〜15億円)を7月頃に公告する予定。このほか、工事では管理施設設置、エレベーター設備新設、照明設備、試験湛水用ゲート新設、多重無線設備、放流警報設備などを順次、公告する。
業務では地すべり観測、地すべり自動観測機器設置、本体工事積算技術、環境調査、洪水予測システム予備設計などを公告する予定。
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秋田建設工業新聞社