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建設経済新聞社
2024/05/09

【京都】宮津の丹後郷土資料館リニューアル 建築など第2四半期、EVは第3四半期 与謝野の外部収蔵施設は第2四半期

 京都府教育委員会は、宮津市国分の府立丹後郷土資料館のリニューアル工事に着手する。リニューアルにあわせて、不足する資料館の外部収蔵施設を旧与謝の海共済住宅の解体跡地に新築する工事も進める。
 リニューアルのコンセプトは「地域に受け継がれた『丹後の歴史』と『未来』との融合」。来訪者の流れをエリア全体に広げ、文化・観光・地域経済の好循環につなげ、「ハブ・ミュージアム」として地域活性化の新たな拠点とする。
 施設整備のポイントは、@歴史と重厚感のある本館は存置し、リノベーション(本館(改修)・地下1階地上2階建、延1377u)A新たな機能を備えた新館を新設(▽天橋立を真正面から眺める本館正面に新館を新設▽外観は「丹後の未来が天橋立に向かって広がっていくさま」をイメージ▽国宝・重要文化財も随時公開可能な「公開承認施設」に対応)(新館・地下1階地上3階建、延約1900u)B天橋立を望む「コミュニティラウンジ&ホール」と「カフェテリア」(▽新館2階・3階に設置▽天橋立を「生きたコレクション」として位置付け、キラーコンテンツ化)C「ミュージアム」を実現する展示室等([特別展示室]▽国宝・重要文化財を中心に、考古資料から、工芸、絵画、彫刻、アートなど多様な作品の展示に対応、[多目的室]▽体験学習やワークショップに対応)。
 このほか音楽会やアートイベント、マルシェなどを開催し、観光面に加え、地域交流の場として、人と人との交流を促進する。
 与謝野町男山に計画の外部収蔵施設については、丹後郷土資料館本館の地下収蔵庫と別棟収蔵庫に保管されている木製民俗資料や埋蔵文化財を保管するために計画。旧与謝の海共済住宅(CB造2階建×2棟、延275・72u、敷地面積約620u)を解体し、その跡地に建設する。規模はS造平屋建(準耐火構造)350u以内を想定するが、収蔵庫の一部に2層のメザニン(積層棚)の設置を検討し、構造上設置が可能な場合は床面積50u程度を追加する。
 予定スケジュールでは、令和6年度から本館改修・新館建設の実施設計を進めるとともに、外部収蔵施設建設に着手。また実施設計を経て、6年度中に本館改修・新館建設に着手する。
 令和6年度発注見通しには計7件の工事を盛り込んだ。
 府立丹後郷土資料館再整備工事(建築工事)は第2四半期(7〜9月)に入札。発注種別・等級は建築一式JV。同(電気設備工事)も第2四半期に入札。発注種別・等級は電気JV。同(機械設備工事)も第2四半期に入札。発注種別・等級は管JV。同(昇降機設備工事)は第3四半期(10〜12月)に入札。発注種別・等級はその他T。工期は24ヵ月。
 丹後郷土資料館与謝の海収蔵庫新設工事(建築工事)は第2四半期に入札。発注種別・等級は建築一式T。同(電気設備工事)も第2四半期に入札。発注種別・等級は電気T。同(機械設備工事)も第2四半期に入札。発注種別・等級は管T。工期は8ヵ月。
 外部収蔵施設建設は7年度まで、本館改修・新館建設は8年度までに完成させ、8年度中のリニューアルオープンを目指す。
 京都府立丹後郷土資料館再整備基本・実施設計等業務は、公募型プロポーザルで石本建築事務所大阪オフィス(大阪市中央区)を選定。令和4年12月に1億0450万円で契約した。
 府立丹後郷土資料館外部収蔵施設新築工事設計業務は、令和6年4月開札でBOFアーキテクツ(京都市下京区)に決定。設計工期は令和6年10月15日まで。
 令和6年度当初予算には丹後郷土資料館整備推進費1億4900万円を確保するとともに、1億3000万円を限度額とする債務負担を設定した。
 丹後郷土資料館(宮津市国分天王山611−1)は、丹後地域の歴史や考古、民俗分野における調査研究と収集保存、展示普及を行う施設として、「ふるさとの文化史跡を守り、新しい文化を創造する拠点整備」を求めるという地元の強い誘致と協力により、史跡丹後国分寺跡(宮津市国分)に昭和45年10月設置した施設。