任期満了に伴う4月の魚津市長選で、無投票3選を果たした村椿晃氏。室内温水プールが着工し、「世紀の大事業」と位置づける新庁舎整備も始動。老朽化した水族館の再整備が懸案事項となる中、村椿市長に3期目への抱負を聞いた。
−無投票での3選について
「無投票での当選は初めてなので、これまでの市政運営に対する市民の評価が数字(票数)として見えず、それゆえ責任の重さをひしひしと感じている。気持ちを引き締めて市政運営にしっかり取り組みたい」
−2期目を振り返って
「財政健全化とコロナ対策に全力投球した4年間だった。健全化が2年前倒しで達成でき、保育料の無償化といった子育て支援の充実、市庁舎やコミュニティセンターの整備に備えた公共施設整備基金の積み増しなども順調に進めることができた」
−防災対策について
「能登半島地震では、訓練と実際の災害との違いを強烈に感じた。市内の被害は少なかったが、初動となる避難情報の発信から、避難所の早期開設や物資の円滑な供給など、すべての面で課題があった。これらの課題に対しどう対応していけば良いのか、まずは改善点を検討したい。地域防災計画を見直すとともに、防災訓練のあり方についても市民と一緒に考えていく必要があると感じた」
−新庁舎の整備は
「人口が減少していく中、防災拠点としての機能を高く維持しながら、どのようなスケールの庁舎であるべきか。DXなど新しい時代に即した公共サービスの提供のあり方や職員の働き方も考慮しながら、新時代の庁舎について市民と意識を共有して進めていきたい。23年度に策定した基本構想を基に、24年度は基本計画を進め、25年度からの設計に備えたい。順調なら今任期中の26年度に着工となる」
−老朽化が進む水族館について
「これまでは『なんとかしないとね』といったぼんやりした感じだったが、この任期中に新しい水族館の整備構想を進めていこうと思う。ただ水族館だけではなくて、まちづくりと一体的に考えなければならない。どの場所に整備すればいいのか、例えば周辺の道路をどう整備するか、そういった話とリンクするもの。『水族館を拠点としたまち』の絵を描く作業を24年度から始めたい」
−3期目の抱負を
「コロナ禍を経験して、安心して暮らせる『日常の大切さ』を再認識した。人口減など大きな課題はあるが、まずは市民に安心感と将来への希望を持ってもらえるよう、職員と力を合わせて頑張っていきたい」