横浜市は、用途地域などの全市的な見直しに関する都市計画変更を5月中に告示する。第1種低層住居専用地域のうち、大きな道路沿いを第2種低層住居専用地域に変更して小規模な日用品販売店の立地を可能にするなど、郊外住宅地の魅力向上やゆとりある住環境の創出を促す。
これまでの用途地域では、市街化区域の約4割に当たる約1万3702平方bを第1種低層住居専用地域に指定。郊外部を中心に良好な住環境が形成されてきた。
一方、前回の見直しを1996年に実施して以来、少子高齢化や建物の老朽化に加え、新型コロナウイルス感染症の影響によるライフスタイルの多様化が進んでいる。
こうした社会情勢の変化を踏まえたまちづくりを進めるため、土地利用規制の根幹である用途地域などを改めることにした。2023年度に都市計画案を公表し、3月の都市計画審議会で可決された。
主な見直し内容をみると、第1種低層住居専用地域のうち主要な地域道路などの沿道にある地区を第2種低層住居専用地域へと変更。日用品販売店や喫茶店などの独立した店舗の建築が可能になる。
また、第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域の一部を特別用途地域に指定して、地域住民の生活インフラや雇用の場となるコンビニエンスストアなどの小売店を誘導する。
この他、第1低層住居専用地域で旧耐震建築物が多い地区の指定容積率を80%から100%に引き上げて、建て替えを促したり、ゆとりある住環境の創出につなげたりする。工業系用途地域の中で土地利用転換が進んだ地区については住宅系用途へと変更して、住環境の保全を図る。
提供:建通新聞社