徳島県は2024〜28年度までの5年間で進める「地域福祉支援計画(第4期)」をまとめ、災害対策に取り組むべき施策として、社会福祉施設などの耐震化を挙げた。全体2225棟のうち耐震化済みは2117棟で、未耐震化棟数が108棟あることから、重点課題の一つに、福祉避難所の整備など、災害に強い福祉のまちづくりを盛り込んだ。
社会福祉施設等の耐震化率は22年3月末現在95・1%で、うち老人福祉施設は97・5%と高い水準にある。耐震化されていない建物数は児童福祉施設などが全561棟のうち31棟で、うち保育所や幼保連携型認定こども園は全222棟のうち8棟。障がい者・児施設(精神を含む)は全508棟のうち44棟、老人福祉施設(介護を含む)は全1105棟のうち28棟、その他の保護施設などが全51棟のうち5棟となっている。
重点課題として挙げた災害に強い福祉のまちづくりでは、多くの命が失われた阪神淡路大震災や東日本大震災の事例とともに、南海トラフ巨大地震や中央構造線・活断層地震発生の懸念を掲げる。近年の大型化する台風や激化するゲリラ豪雨、これらに対する備えとして防災・減災対策の実行力が求められるとした。
市町村が指定する福祉避難所は、一般の避難所での避難生活を送ることが難しい要配慮者のために耐震、耐火構造、スロープ、多機能トイレ、バリアフリー化された施設で、社会福祉施設が福祉避難所に指定される場合が多い。老朽化が進む社会福祉施設などで県内の福祉避難所は、東日本大震災後、23年度には250施設となり、18年度の169施設から約1・5倍へと増えている。
提供:建通新聞社