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建通新聞社
2024/05/07

【大阪】大阪府内盛土等対策連絡会議が発足

 大阪府は5月1日、「大阪府内盛土等対策連絡会議」を発足した。4月1日から運用を開始した「宅地造成および特定盛土等規制法(盛土規制法)」に基づき、府と市町村が連携した監視体制を構築し、効率的で効果的な規制を行う。また、会議発足に当たり、監視活動をより強化し、危険行為の早期発見につなげるため、民間事業者4者と「盛土等の不適正事案の情報提供に関する協定」を締結。府によると、盛土規制法の運用開始に伴い、民間事業者と情報提供などに関する協定を結ぶのは全国初となる。
 会議の発足と協定締結に当たり、大阪府の吉村洋文知事は「不適正な盛土の事案をみんなで情報共有し、(不適正事案を)防ぐ、そして府民・市民の命を守るということが今回の協定と今日発足する会議の大きな目的だ」と述べ、「少しでも早く危険な盛土を察知し、府民・市民を守ることに徹したい」と意気込んだ。
 同会議は、盛土などの行為に対し効率的・効果的な規制を行うことで、適正化を図り、災害を防止することを目的に設置。府環境農林水産部と都市整備部の他、市町村の各担当課長らで構成し、盛土規制法に関連した情報共有・意見交換や不適正事案の行為地の調査、共同での監視パトロールなどを行う。
 府と協定を締結したのは▽ヤマト運輸関西統括▽佐川急便関西支店▽大阪府農業協同組合中央会▽大阪府森林組合―の4者。今後ドライバーらが業務中に危険な盛土を発見した場合、府まで情報提供することを求める。協定締結後には第1回連絡会議が行われ、実際に協定締結事業者が府に通報する際のマニュアルやドローンを活用した監視活動について紹介した。
 通報マニュアルでは、情報提供の事例として@盛土などの工事が行われているA工事看板が見当たらないB土石を積んだ大型ダンプが頻繁に出入りしているC立米ブロックの積み上げ工事C盛土や擁壁にひび割れや水が大量にしみ出している―の4点を挙げ、発見した場合は府の森づくり課に電話やEメールなどでの情報提供を求めた。
 国や府は、21年に静岡県熱海市で盛土の崩落により土石流が発生したことなどを受け、規制強化を進めており、23年5月26日に盛土規制法が施行。府では、危険な盛土などを包括的に規制するため、4月1日に政令市・中核市を除く府内全域を規制区域に指定している(岬町孝子の一部を「特定盛土等規制区域」、それ以外を「宅地造成等工事規制区域」)。規制区域内で一定規模以上の盛土や切土、一時的な土石の堆積盛土を行う場合は許可が必要となる。

提供:建通新聞社