相模鉄道(横浜市西区)は2024年度、鉄道事業に94億円を投資する。安全・安定輸送の確保には50億円を充て、鶴ケ峰駅付近の連続立体交差事業でシールドマシンの製作や二俣川駅周辺の線路切り替え工事などを推進。ホームドアは和田町駅、上星川駅の2駅に設置する。サービスの向上のためには44億円を投資し、海老名駅、ゆめが丘駅のリニューアルを進める。
鶴ケ峰駅付近の連続立体交差事業は横浜市の都市計画事業として22年11月に着工。西谷駅〜二俣川駅の約2・8`を地下化する。
施工は、起点(西谷駅側)からシールドトンネル終点までの「第1工区」を清水建設・五洋建設・鴻池組・坪井工業・奈良建設JV、鶴ケ峰駅舎部分の「第2工区」を大林組・鉄建建設・NB建設(現・京王建設横浜)・馬淵建設・京成建設JV、終点側の箱型トンネルと擁壁を築造する「第3工区」を前田建設工業・西松建設・東洋建設・松尾工務店JVが担当する。
第1工区では26年度から掘進工事を行うため、24年度はシールドマシンを製作する。シールドの外径は11b。トンネルは延長1960bで、1日当たり6〜7b程度を掘り進む計画だ。
第2工区は、25年度に始まる掘削や鶴ケ峰駅新駅舎の工事に備え、鶴ケ峰バスターミナルの一部などを活用して工事車両の通行路を整備する。
第3工区では二俣川駅周辺の線路切り替えに着手する。線路南側に隣接した箇所を掘削し、下り線を設置。上り線は現況線路の直下に整備し、上下線に挟まれた部分は地上部の留置線とする。25年度から箱型トンネルと擁壁の築造工事を行う。
事業の完了は33年度の見込み。概算事業費は784億円。設計は復建エンジニヤリング(横浜市磯子区)が担当。
ホームドアは和田町駅と上星川駅で施工し、リニューアル中の海老名駅を除く全駅で設置が完了する。
海老名駅の整備計画では、現状の2階建てを3階建てに更新し、改札口2カ所や連絡通路、保育施設を新設する。24年度は駅舎構築のための鉄骨製作、架設を実施する。
設計はトーニチコンサルタント(東京都渋谷区)、施工は東急建設・NB建設・関東緑地土木JVが担当。26年度の建て替え完了を目指す。
ゆめが丘駅は、駅南側で商業施設「ゆめが丘ソラトス」が7月に開業するのに合わせ、駅東側に新改札口を設置する。内外装は15年に決めた統一デザインコンセプトに基づき、外壁には横浜のレトロ建築をイメージしたレンガを採用。また、開放的な空間を目指しガラスを多用する。施工対象面積は580平方b。
設計は交建設計(東京都中央区)、施工は第一建設工業(新潟市中央区)が担当。
この他、「10000系」車両3編成をリニューアルする。
提供:建通新聞社