鉄道建設・運輸施設整備支援機構(JRTT)と日本建設業連合会北陸支部(新潟市)は26日、金沢市の大鉄工業北陸支店で災害時における災害応急対策業務および、建設資機材調達に関する協定書締結式を行った。
締結式では同機構から渡邉修鉄道技術センター長、日建連北陸支部の木村淳二支部長が出席し、協定書に署名した。渡邉センター長は「当センターは4月に発足したばかりだが、これまで鉄道・運輸機構が蓄積してきた技術を磨き、社会に役立てる取り組みの一つが地方への応援。日建連北陸支部と連携し、迅速な復旧へ情報共有を図っていきたい」と述べた。木村支部長は「能登半島地震では1月2日夜から国道249号や能越自動車道の啓開作業に入っているが、鉄道・運輸機構との協定締結は大災害に備え、大変意義深い。鉄道は特殊分野だが、道路と同様に重要なインフラ。支部一丸となり、取り組んでいきたい」と語った。
今回の協定は新潟や富山、石川県の地域鉄道の災害復旧が対象。日建連北陸支部では会員企業49社の中から最適な企業を選び対応にあたる。締結式後、木村支部長は「災害復旧は建設業の大切な使命であり、時間との戦いでもある。今回の協定締結によって、迅速に応急対策を実施できる」と強調した。
同機構は東日本大震災で三陸鉄道の復旧工事を行ったほか、能登半島地震でも被災した鉄道事業者のと鉄道にも職員を派遣し、被災状況調査と復旧の早期化支援に尽力した。日建連北陸支部も北陸地方整備局や石川県などの発注者と連携し、道路啓開や地域の迅速な復旧・復興工事などに取り組んでいる。
今回、3月に同機構とIRいしかわ鉄道が被災時の迅速な災害復旧などを含む包括的連携に関する協定を締結したことを踏まえ、被災時に同いしかわ鉄道など北陸地域における鉄道の災害復旧を迅速に進めるため、機構が北陸地域の業界団体として初めて日建連北陸支部と災害協定を締結することになった。