県土整備部はトンネル点検業務の入札参加条件について、県内コンサルの育成を目的としたJVの特例措置を3年間延長する。これまで特例措置は2015年度から3年ごとに2回も延長しており、同部は今回限りと説明している。
道路法施行令の改正に伴い、トンネルや橋梁などの大型構造物は5年に一度の定期点検が義務付けられている。
ただ、県内コンサルに要件を満たす有資格者が少なく、同部は15年度から実績のある県外コンサルとのJVを採用し、県内コンサルの育成に努めてきた。
同部の説明では、24年1月時点で単独受注が可能な県内コンサルは5社(うち1社は準県内)と、依然、低迷しており、さらに今年度から3年間、JV措置を延長する。
一方で、鳥取大学がトンネル点検に関する「地域資格」(国交省認定の民間資格)の創設を検討しており、県内コンサルのあいだでも資格取得を目指す動きがみられる。
同部は向こう3年間の入札参加状況を見守りたいとし、次回27年度からの入札条件は、県内コンサルが10社いれば「県内単独」、10社に満たない場合は「県内外単独」で発注する。ただし、難易度が「特に高い」業務は県内を含むJVとする。
電線共同溝もJV
県土整備部は今年度、電線共同溝業務の入札参加条件を単独からJVに限定した特例措置を講じる。現時点で同種業務実績のある県内業者は4社にとどまる。県外を含めた実績のある会社とのJV方式で経験をつんでもらう。年間の発注件数が少ないため、特例措置期間は、次期「鳥取県無電柱化推進計画」(26〜30年度)が終了する30年度までの7年間。30年度末時点で、単独受注が可能な県内コンサルが10社以上あれば「県内単独」、10社を下回っていれば「県内外単独」とする。ただ、発注者が認めた場合は県内を含むJVも認める。
日刊建設工業新聞