京都市消防局は25日、17日から24日まで書面開催した令和6年度京都府南部消防指令センター協議会の開催結果を発表した。
協議会委員の京都府南部地域の9消防本部の管理者(市長、町長及び消防組合管理者)及び京都府副知事が出席し、「京都府南部消防指令センターの共同整備等に関する協定書」について書面により審議。その結果、全ての委員が承認し原案通り決定した。この結果を受け、直ちに協定締結に向け進めていく。
協定書によると、京都府南部地域における消防指令業務の共同運用に関する基本協定書に定める協定団体は、基本協定書第4条の規定に基づき、消防指令システム、消防救急デジタル無線、その他関係機器及び施設(消防指令システム等)の共同整備等について協定を締結する。
協定書の主な内容をみると、▽共同調達は、協定団体を代表し京都市が行う▽任意機器の整備は当該協定団体、消防指令センター施設の整備は京都市がそれぞれ調達を行う等。
なお、共通機器は「消防指令システム等のうち、主に京都府南部消防指令センターにおいて運用する共通の機器(ソフトウェアを含む)」、個別機器は「共通機器のネットワークシステムと一体的に運用する機器のうち、協定団体が当該協定団体の消防署所数、配置車両数等に応じて運用する個別の機器(ソフトウェアを含む)」、任意機器は「消防指令システム等と一体的に運用する機器のうち、当該協定団体において運用する機器(ソフトウェアを含む)」、車載端末装置は「消防指令システム等のうち、車両に装備し車両動態情報の管理等を行う装置及びこれらに関連する機器(ソフトウェアを含む)」。
消防指令センター施設は「京都府立・京都市消防学校敷地内に共同で整備する京都府南部消防指令センターの施設その他これらと一体的に運用する設備、装置及び備品」で、ア・消防指令センター、イ・電源機械室、通信機械室、ウ・コンピュータールーム、サーバールーム、エ・仮眠室等(浴室、洗面、便所その他運用上必要な設備を含む)、オ・事務室。
中間整備(更新)は「消防指令システム等の機器(ソフトウェアを含む)ごとの耐用年数等により、運用期間中に必要となる機器の整備(更新)」。
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これまでに明らかになっている内容をまとめると、9消防本部が共同で整備する南部消防指令センターは、京都市南区の京都市消防学校の4階部分に設置(3階部分には待機室を設置)。京都市は、消防学校の一部を消防指令センター仕様に改修するなどの整備を行う。
南部消防指令センターは、▽消防指令センター265u(230u/カッコ内は京都市消防指令センター、以下同じ)▽指令台・平常時14台、大規模災害時28台(平常時9台、大規模災害時18台)▽119番受信回線数56回線(36回線)▽事務室等145u(117u)▽待機室155u(56u)▽通信機械室、コンピュータールーム200u(154u)。
南部消防指令センターに整備するシステムの主な機能は、@AI技術を用いた災害地点の確定と出動指令の迅速化A南部消防指令センターと9消防本部の情報共有体制の強化(▽モバイル端末を活用した現場支援システムの導入▽各消防本部に設置する情報共有端末の導入▽9消防本部で同一規格の消防救急デジタル無線を整備▽新機能「消防力シグナル」による消防相互応援の判断の迅速化▽通報手段の多様化に対応)。
概算事業費は全9消防本部の事業費が約138億円で、うち京都市事業費が約87億円。市の事業費は第1期(令和6〜8年度整備、9年度運用開始)が約81億5000万円、第2期(令和11年度整備、12年度運用開始)が約5億5000万円。上記費用は南部消防指令センターを京都市消防学校内に設置することに伴う庁舎改修等に要する経費を除く。
当初スケジュールによると、令和6〜8年度に@消防指令システム、消防救急デジタル無線等の整備A庁舎改修(京都市消防学校の一部を消防指令センター仕様へ改修)を実施、9年度から第1期消防本部(京都市消防局、乙訓消防組合消防本部、京田辺市消防本部、久御山町消防本部、精華町消防本部)の運用を開始、11年度に第2期消防本部(宇治市消防本部、城陽市消防本部、八幡市消防本部、相楽中部消防組合消防本部)のシステム接続のための整備を行い、12年度から全9消防本部での共同運用の開始を目指す。
南部消防指令センターの管轄人口は約217万人(令和2年国勢調査)。受信件数は約19万件(令和5年9消防本部受信件数)。
事業効果としては、@119番受信・処理能力の向上A消防相互応援の迅速化B消防体制の充実・強化及び財政面の効果を挙げた。
京都市は関連業務として、(仮称)京都府南部消防指令センター及び消防学校整備工事設計業務委託ただし、内外装その他改修工事基本設計・実施設計業務を令和5年6月に開札し、コム・キューブ(京都市中京区)に決定。
また、京都府南部消防指令センター整備運用協議会(事務局・京都市消防局総務部総務課内)は、京都府南部消防指令センター共同運用実施設計業務について、公募型プロポーザルでEYストラテジー・アンド・コンサルティング(東京都千代田区)を選定、5560万円で随意契約した。