富山県建設業協会働き方改革委員会の高平公輔委員長と安達正彦副委員長は23日、県庁を訪れ、2023年度「建設業の雇用実態と経営状況に関する調査報告書」を土木部の山下章子、川上孝裕両次長へ提出した。
この日は、高平委員長が山下次長に調査報告書を手交。同協会事務局の寺島秀峰課長が報告書のポイントを説明後、同席した県土木部建設技術企画課の石井雅課長と山縣英彦主幹を交えて、活発に意見交換した。
報告書は、建設業界の雇用改善や若手技術者・技能者の入職と定着を促す方策を検討する基礎資料として毎年、雇用実態や経営状況を調査しているもの。調査項目は雇用、給与・賃上げ等、休日制度、働き方改革への対応、経営状況など9点。今調査ではこれまでと同様、県内建設業にとって「人材の確保と育成」が大きな課題であり、若手を確保し育成を図るには給与や休日、労働時間をはじめとする就労環境の改善を進め、入職や定着につなげることが必要と報告している(記事詳細は24日付参照)。
両次長との面談後、取材に応じた高平委員長は、「建設業では特に人材の確保が課題。世代間における考え方のギャップもあり、若手の育成も難しい」と述べた上で、「DXを用いて省力化、効率化を図ることで、利益が確保できる業界にしなければいけない。そのためにも変革が必要」と強調。さらに、「技術の伝承も含めて課題は多いが、実態を理解していただき、現状に配慮した発注につなげるためにも、官民で話し合うことは今後の大事なベースになる」と話している。
なお、同委員会では、30日に北陸地方整備局富山河川国道事務所、県富山土木センターを同様に訪問するほか、富山労働局にも報告書を持参することにしている。