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建通新聞社(神奈川)
2024/04/24

【神奈川】県 3次元点群データの利活用を全域で促進

 神奈川県は、3次元点群データの利活用を県内全域で推進する。県が実施したアンケートでは、最も多い道路施設の維持管理部門でも5団体のみと活用実績を持つ自治体が少ないことが明らかになった。3次元点群データの利用に関心を示す自治体は8割を占めており、データの取得方法や有効な活用策を市町村と共有し、インフラ施設の維持管理の効率化や災害時の復旧対応の迅速化を図る。
 3次元点群データとは、X・Y・Zの3次元の位置情報を持つ座標や、カメラの画像データなどから得た色の情報を持つ点の集合。UAV(ドローン)や航空機、MMS(移動計測車両)などの測量方法で取得する。パソコンにデータを取り込み、地形や構造物の形状を立体的に再現することが可能だ。定期的に点群データを取得することで、インフラ施設の点検時に異常を早期発見できる他、発災時に被災前後のデータを比較して状況を把握し、復旧対応を迅速に行うことができる。
 県では、県内全域2416平方`のうち87%で点群データを取得しており、希望する市町村へデータを提供する。また、オープンデータ化も目指しており、今後検討を進める。データの測量密度は1平方b当たり4点で、航空レーザー測量で実施した。
 3次元点群データの県内実績については、道路施設の整備で3団体の利用実績があり、5団体が検討中と回答。実績があった自治体のデータ取得方法は、MMS、UAV、地上型レーザースキャナー。道路施設の維持管理では5団体で実績があり、活用予定ありが1団体、検討している自治体が5団体あった。取得方法はMMS。
 河川施設の整備では実績がある自治体がなく、4団体が検討中と回答した。河川施設の維持管理では、1団体で実績があり、4団体が検討している。取得方法はUAV。
 公園施設に関しては、整備と維持管理ともに実績がある自治体がなく、検討中の自治体が5団体あった。
 災害対応への利活用では、実績ありが1団体、検討中が4団体。取得方法は地上型レーザー測量だった。

提供:建通新聞社