トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

鹿児島建設新聞
2024/04/24

【鹿児島】九州自治体で初の蓄電システム

 南九州市の知覧町郡に同市発注で整備される黒木山太陽光発電所に、九州の自治体では初めてとされるレドックスフロー蓄電システムが導入されることが、23日分かった。鹿児島市のミタデン(廣瀬和泉社長)が事業方針を提案し、設計・施工を通して技術を提供。2025年3月完工を目指す。
 事業は環境省の補助金などを活用、2050年が目標の「カーボンニュートラル」に向けた国策の一環。同市所有の遊休地「黒木山」に約1000kWの発電能力を備えた太陽光発電パネルを設置、同市自営の送電線の整備と併せマイクログリッド(小規模電力網)を構築する。
 発電した電気は平和公園など10カ所の公共施設に供給し、エネルギーの地産地消を図る。同事業でマイクログリッドのカギを握るのが蓄電池(容量=1125kWh)。同社によると、電解液の循環による充・放電フローを活用した蓄電システムは九州の自治体では初めてという。
 同社は、21年2月に一括提案を求めて同市が公告したプロポーザルに応募。同4月に優先交渉権を得ていた。事業内容にあった維持管理や余剰電力の売電、新電力会社の起業等は24年度以降の検討課題になっているもよう。
 電力網は、平常時に発電した電気を対象施設の自家消費に使用し発電量の低下時や夜間、蓄電池が電気を供給。また、停電等の非常時、指定避難所等の施設に送電を行い災害等に備える。同システムは環境に配慮した材料の使用と寿命が長い利点から、効率的に長期にわたる活用が期待されている。
 この日、現地で起工式があり、廣瀬社長らが塗木弘幸市長らを招いて神事があった。廣瀬社長は「ゼロカーボンシティを目指す南九州市の皆様の笑顔をビジョンに掲げ、国の脱炭素事業に寄与していきたい」と抱負を述べた。


鹿児島建設新聞space鹿児島建設新聞FACEBOOK