高知市は、国民宿舎桂浜荘の利活用を検討するため、昨年9月に募集した第2回のサウンディング型市場調査の結果をまとめた。調査には4者が参加し、現施設を引き続き活用し宿泊施設として再建が可能との意見があった一方、投資回収には長期の運営が必要、施設老朽化などに対する懸念の声も寄せられた。これらの意見を踏まえ、運営スキームや公募要件などの整理を進め、2024年度内に施設運営事業者の公募を目指す。
第2回サウンディング調査では、事業参画への課題・懸念事項として、施設修繕費や運営条件、初期費用としての改修コスト、現施設の買収コストや解体費用、大規模修繕費や事業終了後の施設解体費用、既存施設のデザインの古さや施設の老朽化などの意見が上がった。
施設運営の収益性については、宿泊施設事業以外の付加や宿泊単価を上げることが前提となるが、近年のインバウンド需要の増加と立地を生かしたサービスを提供することを条件に収益の拡大が見込めるとの意見が示された一方、リニューアルに膨大な費用が想定されることから、収益拡大は望めないとの意見もあった。
整備手法については、既設の活用が望ましい、建て替えとなる場合、床面積減少となることや工事費用が多大になる点などから一概には言えないとの声があった。
施設の所有権については、固定資産税などが発生しない、大規模災害のリスクなどを踏まえ公共の所有が望ましい、事業リスクは民間と公共で共有すべきなどの意見があった。
また、宿泊施設以外のメイン機能の導入では、現行と同じ機能で再開することが望ましいとの意見で一致した。
桂浜荘の規模は鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建て延べ3493平方b。和室27室、洋室3室の客室計30室や、定員135人の大会議室、大広間、80人収容可能なレストラン、大中の浴場と家族風呂などを備える。コロナ禍の影響で21年9月から休館している。所在地は浦戸830ノ25。利活用検討業務はパシフィックコンサルタンツ高知事務所(高知市)が担当。
提供:建通新聞社