横浜市は盛土規制法に基づいて、市内全域を新たな規制区域として指定する方針を固めた。一定規模の造成工事と一時的な土石の堆積を行う場合に市長の許可が必要となる。また、許可申請前に周辺住民に対する工事計画の周知などを工事主に義務付ける。2025年4月1日に指定・適用開始する。
23年5月に施行した「宅地造成及び特定盛土等規制法」(盛土規制法)では、都道府県と政令指定都市、中核市がそれぞれ規制区域を新たに指定して、盛土・切土・一時的な堆積を実施する場合にあらかじめ許可を必要とする。
規制区域は、市街地や集落、その周辺を対象とした「宅地造成等工事規制区域」と、市街地・集落からは離れているものの、地形条件などから盛土によって人家に被害を及ぼす恐れのある「特定盛土等規制区域」の二つ。
市内には車両などで土砂が持ち込まれる可能性のある道路が存在するため、盛土などに伴う災害を未然に防ぐ観点から全域を「宅地造成等工事規制区域」に指定する方針。旧宅地造成等規制法では市内の約62%の区域を指定していたのに比べ、約1・6倍拡大することになる。
併せて、許可が必要な全ての工事で周辺住民への事前周知が必要になるため、現行条例を改正する。
このほど公表した改正骨子案によると、現行条例では対象外としている区域面積500平方b未満の宅地造成でも、▽説明会▽個別訪問▽現地への標識設置・事業計画書の縦覧―のいずれかの対応を求める。
また、高さ15bを超える盛土を行う場合や、面積2000平方b以上の土石の堆積を行う場合は説明会を開いて周知するよう義務付ける。
条例改正に関してはパブリックコメントを経て9月の市会に改正案を提出する予定。議決後、25年4月1日の規制区域指定の公示に合わせて施行する。
提供:建通新聞社