2025年大阪・関西万博まで1年を切ろうとする4月12日、大阪府と大阪市は万博推進本部第10回会議を開き、万博会場やパビリオンの建設促進に向けた施工環境改善の取り組み状況などについて報告、共有した。大阪市域の主要アクセスルートを中心に10月以降、道路工事の夜間振り替えを強く呼び掛ける他、万博会場への工事車両の出入り口を3カ所から8カ所に増設。IR用地の一部をバックヤード用地として新たに加える。
会議では、推進本部内に設置している各専門部会での24年度の取り組み方針について報告。谷口友英都市整備部長が部会長を務める交通対策部会では、交通円滑化に関わる取り組みと一般交通への混雑緩和などの働き掛けを行う。府市や占有事業者が実施する道路工事のうち、交通規制を伴う工事について、混雑緩和などを「強く呼び掛ける期間(10月〜閉幕)」と「呼び掛ける期間(6月および8月中旬〜9月末)」では、工事の夜間振り替えを実施する。
対象となるのは、市域の主要アクセスルートとなる阪神高速道路を補完するルートとシャトルバス発着場などの主要集客エリア。この他、市内路線に接続する国道423号や国道176号、大阪池田線なども対象となる。
また、施工環境改善に向けた取り組み状況についても共有された。万博工事期間中の工事車両がピークと想定される10月を前に、舞洲交差点の常時左折可や咲洲トンネル西交差点の車線幅員の拡幅、ATC北交差点の右折車線の2車線化に取り組む。また、万博会場への工事車両の出入り口を現在の3カ所から8カ所に増設し、観光外周道路を工事車両の待機場所として活用する。
バックヤードの確保では、会場南東部エリア(12f)と夢洲交通広場(1f)、夢洲コンテナターミナルの他、新たにIR用地(北西部約1f)も資材置き場や現場事務所、作業員の駐車場として活用を検討している。
本部長の吉村洋文大阪府知事は、「万博開催まであと1年となった。この1年間の準備が非常に重要となってくるので、それぞれの取り組みを確認して今後のラストスパートにつなげたい」と述べた。
〜府内の経済波及効果は約1・6兆円〜
会議では、府域の経済波及効果が約1・6兆円との試算結果を公表。全国で約2・9兆円と見込んでいる経済産業省の試算を基に、府・市で府域の経済波及効果を初めて試算した。内訳は、建設投資が3537億円、運営・イベントが3490億円、来場者消費が7050億円で、府域の経済波及効果は全国の56%になると推測している。
提供:建通新聞社