富山県建設業協会は12日、黒部市の桜井高校で、土木科生徒の保護者との意見交換会を開催した。
同協会では、若者の入職促進につなげようと、2015(平成27)年度から、県内の建設系学科がある高校で保護者との意見交換会を例年実施。地域建設業の現状や魅力、建設技術者の仕事内容などをPRしている。
この日は、土木科3年生の保護者30人と生徒39人、協会から大愛富美子理事(桜井建設代表取締役)、川口歳則入善支部事務局長、寺島秀峰課長、岩元孝貴主事、同校OBでともに入社3年目の技術者から、大高建設土木部の小竹岬氏と桜井建設土木部の真下拓也氏が参加した。
会ではまず、大愛理事が自社の会社概要などを紹介した上で、「建設業は地域を支え、地図に残るやりがいのある仕事。能登半島地震の復旧工事も担っており、これも建設業の大切な仕事の一つ」と説明し、「高校で学んだことを活かし、現場で活躍してほしい。2024年問題もあり、業界全体として働き方改革に力を入れている」とPRした。
続いて、寺島課長が建設業界が推進している新4Kのポイントなどを解説し、業界全体として給与は上がっており、デザイン性に優れた、かっこいい作業服の採用も増えていると話した。
その後、同校OBの2人が入社経緯や仕事内容などを説明。小竹氏は「いろんな仕事を経験し、分からないことは先輩方に聞いている。入社前は建設業界に厳しいイメージを持っていたが、とても馴染みやすく、イメージが変わった。現在は測量や現場写真の管理などを担当しているが、達成感を感じられるのがやりがいの一つ。今後は、2級土木施工管理技士の資格取得を目指している。土・日は休みで、プライベートも充実し、とても働きやすい環境」、真下氏は「学校で学んだことを活かすとともに、地元に貢献したい気持ちもあり入社した。達成感があり、地図に残る構造物が造れる喜びを感じられるのが魅力の一つ。当社の社員、協力会社の方々とは仕事だけでなく、プライベートな相談もでき、良い雰囲気で楽しく働けている。2級土木施工管理技士の資格を取得し、1人で現場を任されるようになるのが目標」と語った。
意見交換では保護者から、学生時代と入社後の業界に対するイメージの違いはとの質問があり、OB2人が「厳しい、怖い人が多いイメージだったが、みんなフレンドリーに接して下さり、楽しく働けている」、建設業に向いている人はとの問いでは、「コミュニケーションが取れる人、行動力があり、自分から率先して動ける人」とそれぞれ回答。施工管理技士の受験資格の年齢制限が引き下げられたが、協会の支援策はあるのかとの質問では、協会が「日建学院の協力を得て、資格取得支援講座を開いている」と答えた。
最後に大愛理事が、「今の建設業界にとって、若手は貴重な存在。一人ひとり自分の子供のように育てており、安心してほしい。安全管理にも力を入れており、働きやすい環境づくりを進めている」と強調した。