パックご飯(無菌包装米飯)の製造を手がけるジャパン・パックライス秋田の完全子会社として設立されたジャパン・パックライス男鹿(男鹿市野石字牛沢32、涌井徹代表取締役)は、旧野石小学校を改修・増築し新工場を整備する。12日に県庁で立地協定締結式が行われ、涌井代表取締役と菅原広二男鹿市長が出席し、協定を締結した。計画規模は工場面積5,536u、敷地面積20,690u規模で、事業費は39億258万円。
新工場は炊飯工程棟、包装工程棟、製品倉庫棟、資材倉庫棟で構成。整備内容は、炊飯工程棟(S1F2,300u)を新設するほか、包装工程棟(旧校舎RC2F1,324u)、製品倉庫棟(旧体育館S1F891u)、資材倉庫棟(特別教室棟RC1F458u)を改修する。合わせて、製品倉庫棟の増築(RC436u)、資材倉庫棟トラックヤードの増築(S1F126u)を行う。6月の着工、7年4月の仮操業、7年6月の本操業開始を目指している。なお、設計者や施工者は今後、選定する予定。
ジャパン・パックライス秋田は、大潟村内の米関連業者6者などで2年に設立。村内外の米を原料に、パックご飯(無菌包装米飯)年間約3,600万食を製造している。男鹿市が利活用を検討していた旧野石小学校の借り上げを提案し、同市の誘致企業としてジャパン・パックライス男鹿を設立した。
操業時の従業員数は30名で、将来的な雇用人数は40人を推定している。パックライスの生産能力は年間5,500万食。新工場の稼働後は、総生産量のうち約2割を海外輸出に充てる予定。
締結式で涌井代表取締役は「農業振興と廃校活用が一体化した今回の取り組みを、新たな農業発展のためのモデルとして発信していきたい」、菅原男鹿市長は「教育・文化など地元住民の精神的な核である旧校舎を新しい形で活用してくれたことに感謝しており、今後も期待している」と述べた。
提供:秋田建設工業新聞社