県が事業主体 概算48億 国が新規採択、防波堤改良など 県は2024年度から、平戸市の舘浦漁港において、水産生産基盤整備事業に着手する計画だ。国の新年度予算成立に伴い、新規事業化が決定。農林水産省の箇所別予算で1億2600万円が付いた。主要工事として防波堤、護岸、岸壁などの改良が予定されている。概算事業費は48億円。
2024年度は測量やボーリング調査等の試験、設計業務の各種コンサルタント業務に着手する。整備規模などを固めた上で、順調なら事業着手後2年目の工事着手を目指す構えだ。9年の事業期間を経て、順調に進めば32年度の事業完了を目標としている。
測量や設計の結果で断面形状等が若干異なることも想定されるものの、現時点において県は、主要工事として防波堤(改良)L=638b、南防波堤(改良)L=140b、新南防波堤(改良)L=140b、護岸(改良)L=162b、浮桟橋N=1基、マイナス3b岸壁(改良)L=42b、マイナス4b岸壁(改良)L=81b、F物揚場(改良)L=42b、係船突堤(改良)L=42bを計画している。
概算事業費は48億円となる見込み。内訳は防波堤(改良)が30億円で最多。ほか南防波堤(改良)1億2000万円、新南防波堤(改良)1億3000万円、護岸(改良)5億3000万円、浮桟橋4億8000万円、マイナス3b岸壁(改良)9000万円、マイナス4b岸壁(改良)1億8000万円、F物揚場(改良)1億2000万円、係船突堤(改良)1億5000万円を見込む。総費用総便益比は「1・20」となる。
台風来襲により県内他港の防波堤が倒壊するなど、近年の波高増大による被害がひっ迫する中、防波堤の耐波浪対策が必要不可欠な状況となっている。
加えて主要な陸揚げ岸壁は現行の耐震基準を満足していない。このため防波堤、護岸、岸壁を改良し、災害時の対応力を強化する。
このほか、干満差に対応できる浮体式係船岸等を整備。就労環境を改善し、安全性および効率性の向上を図る。