トップページお知らせ >地方ニュース

お知らせ

地方ニュース

建通新聞社(神奈川)
2024/04/11

【神奈川】県 城山発電所・柿生発電所を再整備

 神奈川県企業庁は、城山発電所と柿生発電所の再整備を行う。現在は再整備の具体的な内容や整備方法などを詰めており、最新機器に改修することで発電量の増加を図る。城山発電所では、2018年度や21年度に実施した劣化診断の結果も踏まえて「長期脱炭素電源オークション」を活用し、建設費用などを確保したい考えだ。柿生発電所では24年度に改修に向けた設計を進める。25〜27年度にかけて計画を策定し、27〜28年度で整備を行うことを見込んでいる。調査や設計は北電技術コンサルタント神奈川営業所(横浜市中区)が担当する。
 城山発電所の再整備では、各号機の分解点検を行い、水車や制御装置などの主要な電気機械設備の更新を同時に行うことを検討している。
 城山発電所は日本初の純揚水式発電所で、発電機とポンプ水車が4台ずつある。最大出力は25万`h。1965年から運転しており、水車ランナーやベアリングの摺動(しゅうどう)部分など、ポンプ水車の本体の老朽化が進行。96〜2001年度に第1期、07〜09年度に第2期の改造事業を実施し、3号機と4号機のポンプや水車、発電所内の空調設備などを改修した。
 柿生発電所では、水車を含めた本体機器を改修して能力増強を目指すリパワリングを行う。最新機器の選定に当たっては、メンテナンスの省力化なども可能か検討する。
 柿生発電所は、川崎市営水道の導水路に設置された小規模な水力発電所。水車と発電機が1台ずつあり、最大出力は680`h。1962年から運転しており、既設メーカーによる保守限界が近づいている。直近では、2004〜05年度にかけて発電所建屋を建て替え、設備を改修した。
 所在地は、柿生発電所が川崎市麻生区黒川1544ノ2、城山発電所が相模原市緑区川尻。

【長期脱炭素電源オークション】
 脱炭素電源への新規投資を対象とする入札制度。落札後、落札価格の容量収入を原則20年間得られる仕組みで、巨額の初期投資の回収に対して長期的な収入の見通しを立てることができる。23年度に容量市場に創設された。


提供:建通新聞社