国土交通省は8日、民間提案型官民連携モデリング事業の一環で、PPP/PFIのモデル形成に向けたシーズ(民間事業者からの提案)・ニーズ(地方公共団体からの政策課題に関する提案)の募集について、提案内容を公表した。
民間事業者からのシーズ提案は77件、地方公共団体からのニーズ提案は9件の計86件。
4月22日・23日の計2日間にかけて、アピールタイムとして、提出された提案について各企業・地方公共団体等が詳細説明を行う。
京都関係では、京都府が「橋梁点検の効率化・省力化・自動化に向けた検討」を提案。4月22日に詳細説明を行う。
京都府管理の道路橋梁数は約2100橋あるが、「建設業における課題である長時間労働の是正、就業者の高齢化の進行に対応するには生産性向上の取り組みが急務」「京都府においても、管理橋梁の数に対して、点検業務に割ける職員数は限られており、業務の効率化による生産性向上が求められている」などの課題がある。
また点検調書作成に要する労力(点検時に作成する損傷図が手書きで、大きな労力がかかる)や、効率的かつ定量的な判定審査の実施(京都府では土木事務所単位で点検結果の判定を行っており、点検業務を請負うコンサルタントもそれぞれで異なる。また点検や判定の業務を担当する職員も数年で変わるため、判定結果に地域、年度でばらつきが生じる恐れがある)などの課題もある。
府は、課題解決の方向性として「デジタル技術等を用いた点検・診断を行うことで、点検作業の省力化・効率化を図りたい」とし、▽橋梁のデジタルツインを構築し、現場で撮影した写真から損傷図を出力することで点検調書作成の効率化を図る▽AI(人工知能)により損傷や変状を自動抽出することで、ばらつきのない判断をすることができる−を示した。
担当の京都府建設交通部道路建設課は「デジタル技術を用いた点検・診断手法を導入することにより、効率的で定量的な判定を行い、生産性の向上に繋げたい」としている。