坂出市は、坂出港で排出されるCO2を2050年までに実質ゼロにすることを目指す坂出港港湾脱炭素化推進計画を策定した。停泊中の船への陸電供給、製造機械や荷役機械の低炭素化、使用電力の脱炭素化を図るための再エネ電力導入などの取り組み方針を盛り込んだ。県内の港湾で脱炭素化推進計画をまとめるのは初めて。県内ではこの他、高松港の脱炭素化推進計画の策定作業を県などが進めている。
温室効果ガスの排出量の削減と吸収作用の保全や強化に関する取り組みとして、停泊中の船への陸電供給などの他、製造機械や荷役機械のリプレース時期や技術開発の進展に応じた水素燃料などへの転換、港湾を出入りする車両に対する水素等供給設備の導入、太陽光発電やバイオマス発電など各企業が行う再生可能エネルギーの導入促進、藻場の整備といったブルーカーボンの取り組みによる温室効果ガス排出量の削減などを計画。
港湾・臨海部の脱炭素化への取り組みとしては、バイオマス発電所によるグリーン電力の供給、火力発電所での水素混焼・専焼発電への転換、ガス供給でのメタネーション技術などによる合成燃料(e―fuel)の普及拡大、水素などの貯蔵・供給を可能とする受け入れ環境の整備などを含めた。
同計画の対象範囲は、松ケ浦地区から総社地区、林田地区へと西方向に、番の州地区までの範囲。
CO2排出量の削減について、短期的には25年度までに13年度比でCO2排出量を33%減、中期的には30年度をめどに13年比で46%減とする。
ロードマップでは、太陽光パネルの設置や照明のLED化、ブルーインフラの整備を進めるとともに、将来構想として液化水素などの貯蔵施設を整備することにしている。
提供:建通新聞社