三幸製菓グループ(新潟市北区)は、JR新潟万代口側に所有する第5マルカビルの耐震補強を伴うリニューアル工事を計画している。秋ごろに着工し、2025年秋ごろのリニューアルオープンを予定する。
計画では、1・2階に飲食や物販など商業施設が入居し、3―9階にオフィスを誘致。リニューアル後も三幸製菓グループが引き続き所有し、ビル全体を不動産コンサルティング業のリオ・コンサルティング(東京都)に貸し出す。なお、施工者の選定はリオ社が担い、数社に見積もりを依頼する見通し。事業費は非公表。
駅前ににぎわいのあかりを灯し、人が集う場所にしたいという想いから、コンセプトに「新潟の玄関口にあかりを灯し、人が集う場所に」を設定。大通りが交差し最も人目を集めるコーナー部分は既存と対比させた木目調のファサードを持つエントランスラウンジを組み込む。コーナー中央部には大きな開口部を設け、内側に「行灯の核」となるようなシャンデリアを設置する計画。さらに、1階テナント部分はスリムサッシを使い、光を放つ上層階に浮遊感を持たせる。エントランスラウンジは街のシンボルである信濃川に架かる萬代橋をイメージし、緩やかに弧を描く川の流れとアーチ状の橋を床・壁・天井で表現する。
中央区東大通1丁目に立地する第5マルカビル(RC地下2階、地上9階建て延べ約9200平方メートル)は1974年に建設。10年ほど前に三幸製菓グループが土地と建物を取得。かつては周辺のビルを含めた再開発構想も浮上していたが、地権者間の協議は停滞していた。1月末までに全テナントが退去し現在は空きビルとなっている。