穴水町は今年度、穴水小(大町)の改築に向け基本計画の策定に着手する。当初予算に業務委託費1100万円を計上した。能登半島地震でも大きな損傷が確認されており、安全安心な教育環境の早期確保を目指す。
穴水小では昨年8月、1969〜70年建設の教室棟(3階建て延べ1752平方メートル)、管理教室棟(同延べ2051平方メートル)、給食棟(平屋建て延べ178平方メートル)のRC造3棟を対象に、老朽化の進行度合いを把握するため耐力度調査(担当・山岸建築設計事務所)を実施した。その際、全棟でコンクリートのひび割れなどが複数確認され、うち教室棟と管理教室棟は国が定める基準を下回る構造上危険な建物と判定された。
町は耐力度調査を受け、新年度以降に建て替え計画を具体化させる方針を示していたが、地震による被害も考慮して周辺にあるテニスコートやプールなど学校関連施設の要否も含めた検討を開始することにした。基本計画には施設規模や配置、工法などを盛り込む予定で、イメージ図も作成する。
町は町内の小中学校3校の中で、穴水小の被害が特に大きく復旧の長期化が予想されるため、敷地内に仮設校舎を建設する。23年度補正予算の専決処分で、総額6億円のリース料として26年度までの債務負担行為を設定した。うち今年度当初予算に2億円を計上した。
このほか当初予算には、穴水小の被害状況調査や穴水中、向洋小の災害復旧事業費として2140万円も盛り込んだ。