建設新聞社
2024/04/03
【東北・山形】第1四半期にプロポで発注/山形市旧大沼再開発の基本構想
山形市まちづくり政策部は、旧大沼を含む七日町エリア一帯の再開発に伴う基本構想策定業務委託を第1四半期にもプロポーザルで発注する見通しだ。本年度当初予算では委託費を含む事業費として3019万7000円を計上している。
同市七日町1丁目地内の百貨店・大沼本店は、2020年1月に自己破産し、建物は競売により市の外郭団体である山形市都市振興公社が取得した。しかし、電気や空調設備の老朽化が著しく修繕費用が高額となる見込みから、解体する方針を固めている。
同市は、旧大沼本店および改築を計画している市立病院済生館、az七日町ビルや横田ビルなど周辺ビルを含めた一帯の七日町1丁目エリアを中心市街地活性化の核となる区域に位置付け、にぎわい創出拠点施設の整備を含む公民連携による再開発を計画している。ただし、済生館の建設事業については、旧大沼側の街区における事業化と区別して検討を進めていく方針を示している。
昨年度に策定した整備基本方針では▽にぎわいを産む商業施設やビジネス環境の充実、多世代が学び過ごせる機能など「住みやすいまち」▽医療・福祉・健康機能などの充実を図る「健やかに暮らせるまち」▽まちの回遊性を生む魅力ある空間の整備や人が集い滞在する拠点としての機能強化を図る「居心地のよいまち」―の3つのまちづくり方針を掲げている。基本方針の策定支援業務はアール・アイ・エーが担当した。
基本構想では、地権者らで組織する協議会で検討を進めながら、事業区域、コンセプトなどを含む概略施設計画、概略資金計画などを示す考え。本年度を含め3〜4年程度で基本構想と基本計画の策定、都市計画の決定手続きを進める見込み。
その後、再開発組合などを設立し、権利変換計画の認可を経て、解体と施設本体工事に進んでいく予定。
全国で進められた先進的な再開発事例を見ると、富山市の中心商業地である総曲輪地区で新たな商業・にぎわい拠点を創出した「総曲輪通り南地区第一種市街地再開発事業(総曲輪フェリオ)」、福井市のJR福井駅の西側に質の高い住宅や魅力ある商業施設を整備した「福井駅西口中央地区第一種市街地再開発事業(ハピリン)」などがある。
提供:建設新聞社