昨年8月の台風7号により交通が寸断した鳥取市佐治町の国道482号で、県土整備部は同町森坪〜加瀬木にかけての現道約2`を3車線化する方向性をまとめた。現道の拡幅によって、次に被災した際にも2車線通行が最低限確保できる。概算事業費は20億円超。
発災後に設けた鳥取大学教授らを交えた調査研究専門家会議で、現道3車線化の案を示し了承された。
台風7号は記録的な大雨をもたらし、国道482号と北側を走るルート・県道小河内加茂線が全面通行止めとなり、住民1597人が一時孤立状態に陥った。
国道482号は同市用瀬町別府から同市佐治町尾際にかけて主だったカ所だけでも9カ所が被災。うち同部は、専門家からの助言を受けながら森坪周辺のインフラ機能強化に向けた検討を進めている。
計画区間は、市道南岸線・新森坪橋付近から上流の加瀬木橋付近までの現道約2`。@佐治川左岸ルートの現道3車線化A右岸ルートのトンネル化B右岸ルートのバイパス―の代替ルート3案を比較検討した。
この結果、トンネルとバイパスは整備が完了するまで効果を発現できないことや、トンネルは@案の約3倍の事業費がかかり、バイパスでも大規模な切り土が発生することから@案の3車線化を最適とした。
現道3車線化する@案は、控え車線2・75b増幅するもので、工事施工中でも交通を確保できることや、毎年度、段階的に整備効果が発現できるメリットがある。
同部道路建設課では「事業費は現段階で概算のもの」と話し、24年度の公共事業評価委員会で事前評価に諮り、25年度からの事業化を目指すという。
また、迂回路機能の強化で小河内加茂線については、佐治アストロパークから奥部で局部改良する候補地を選定し、24年度から調査、用地買収に着手する。
日刊建設工業新聞