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建通新聞社四国
2024/04/02

【香川】香川県 高松港の特定利用港湾受け入れ

 香川県は3月26日、有事に備えて自衛隊や海上保安庁が平時に港湾や空港を円滑に利用できるようにする「特定利用港湾」に、国が高松港を対象としていることについて、「異論ない」旨の回答をした。国の当初予算成立後に特定利用港湾の一覧に加えられる見通しだ。特定利用港湾となることで、国が整備を進めている高松港朝日地区複合一貫輸送ターミナル整備事業の促進につながり、整備効果が早期に発現することも期待できる。
 民生利用を目的とした港湾整備が事業採択された後に自衛隊などの利用ニーズがあれば事業がより促進される可能性はあるものの、自衛隊などのニーズのみで新たに整備を行うことはない。
 この他に県にとってのメリットとして、高松港に自衛隊や海上保安庁の船が着岸することを想定した準備をすることで、大規模災害時に迅速に高松港からの支援物資の搬入ができるようになることも挙げられる。
 池田豊人知事は、自衛隊などによる平時の利用はあくまで民生利用が主であること、港湾管理者の権利を制限したり、自衛隊などの優先利用を前提としたり、自衛隊などの基地や駐屯地を設けたりするものではないことなどを確認し、「県としての疑問が解消できた」とした。
 港湾管理者である県は、防衛省中国四国防衛局や海上保安庁第六管区海上保安本部と連絡・調整体制を築き、円滑な利用に関する具体的な運用のための意見交換を行う。
 自衛隊の輸送艦などを使った国民保護のための避難や部隊の乗り降り、護衛艦の離岸、接岸の訓練などが行われる可能性がある。また、海上保安庁の災害対応や港湾施設のテロ警戒、人命救助などに向けた訓練も想定される。
 県は、緊急事態発生時には民生利用に配慮しながら自衛隊や海上保安庁が港湾を柔軟かつ迅速に使えるように努めることが求められるが、手続きの簡略化や、必ず自衛隊や海上保安庁が使えるようにしなければならないという義務はない。一刻を争う緊急時に備えて互いの連絡調整体制を築くのが特定利用港湾の主な目的で、さらに高松港を訓練に使う場合は訓練内容などを事前に県に対して伝えてもらい、民生利用に影響がないよう日程調整や関係機関との調整を行う。

提供:建通新聞社