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建設新聞社(長崎)
2024/04/02

【長崎】西諫早団地、本年度前半に基本計画

PFI導入検討 建替340戸
   解体22棟600戸、新設道路等も


 県は、人口減少や少子高齢化などの課題を抱える西諫早ニュータウン全体の再生を目指し、老朽化が進む県営西諫早団地の建て替えを計画。PFI事業等の手法による民間活力導入を視野に入れている。建替住宅は340戸を想定。ほか住戸改善、新設道路と関連インフラ整備、解体工事600戸などを見込む。


 老朽化が進む県営西諫早団地(諫早市堂崎町)は、西諫早ニュータウン内に位置。A〜Z棟の住棟群(敷地面積約5・6f)と、さくら、すみれ、あやめ、つばき、のぎく、アザレア棟(敷地面積約2・3f)で構成されているが、老朽化に伴い住棟の建て替えや改修が必要とされている。建て替えや住棟の改善を進める方針だ。一部の既存住棟を活用、複合的な建て替えを検討。集約建て替えで生じる余剰地活用については、ニュータウン全体の魅力や価値向上のための施設を導入したい考えだ。

 現在は31棟907戸で構成。これを将来的には617戸(建て替え340戸、改善210戸・アザレア棟67戸)に集約化する予定。RC造22棟600戸を解体し340戸を新築する計画。棟数については検討中だ。このうち建替住宅340戸と住戸改善に関しては、PFIによる事業範囲を検討。建替住宅と改善住棟の維持管理・運営は20年。余剰地活用においては敷地売却、民間独立採算に基づく民間施設を導入。一部直接建設を導入するスキームのほか、すべてPFI事業とするスキームなど複数案の検討を行っている。

 西諫早団地が位置する西諫早ニュータウンは、県内でも有数の住宅需要がある一方、少子高齢化や空き家、生活・福祉関連サービスの不足等さまざまな問題が生じている。このような課題を踏まえて、県営住宅用地の集約による民間施設の導入や、民間ノウハウを活用した維持管理・運営等を検討。民間事業者のアイデアや意向を取り入れつつ、参画意欲を高めてもらうことを目的にマーケットサウンディング調査を実施。主に住宅単一用途のまちから、機能複合したまちへの転換などが課題となっている。

 県は2024年度前半、西諫早団地建替基本計画を公表予定。このうち1工区については、24年度前半に基本・実施・設計に入る可能性がある。建替住宅用地のまとまりや余剰地の活用しやすさ、まちへの賑わい形成などを考慮して、「沿道余剰地」を中心に検討。新築建設を2工区(3工区は解体のみ)に分ける案を中心に検討している。サウンディング調査や民活手法導入可能性調査の結果を踏まえ、PFI方式の導入を想定。事業方式はBTO方式となる可能性がある。

 余剰地の早期発現のため、1工区の新築工事までは県による直接発注とする予定。アルファベット群の住棟改善工事は、維持管理や入居者移転支援とともに計画的に行われることを期待。PFI方式を導入し一括して事業を行うことも検討する。
ksrogo