建通新聞社
2024/03/28
【大阪】淀川流域 治水プロジェクト2・0を策定
国土交通省近畿地方整備局は3月26日、第7回淀川流域治水協議会を開き、淀川水系全体で取り組む治水対策をさらに加速・深化させるため、「淀川水系流域治水プロジェクト2・0」を策定・公表した。現行のプロジェクトを更新し、淀川河川敷の十三エリアと枚方エリアなどでのかわまちづくり、守口市の寺方ポンプ場新設、池田市の雨水貯留施設の整備、滋賀県野洲市のMIZBEステーション整備などを盛り込んだ。今回追加した治水対策については、今後具体的な対策内容を検討する。
淀川流域内の▽琵琶湖分会▽淀川(京都府域)分会▽淀川(大阪府域)分会▽猪名川分会▽木津川上流分会―の各分会で取り組むべき対策を、短期・中期・長期に分けて策定した。
琵琶湖分会では、短期で洪水の安定流下のための河道掘削や堤防整備、内水被害軽減対策などの流域対策を実施。山賀川の河道掘削と築堤、流域下水道守山栗東雨水幹線整備を完了させる。
中長期的には大戸川ダムの建設を含む河川整備や流出抑制対策を実施。また、特定都市河川法指定による雨水浸透阻害行為の規制・貯留機能保全区域の検討や浸水被害防止区域の検討も進める。
この他、滋賀県野洲市で、25年度にMIZBEステーションの整備事業者を選定し、28年度の供用開始を目指し設計を行う。
淀川(京都府域)分会では、短期で桂川と宇治川で河道掘削などを行うとともに、天ケ瀬ダム再開発と川上ダムの完成を目指す。中長期的には京都市でため池を整備する他、桂川の堰撤去、木津川無堤区間の堤防整備に着手する。
また、八幡市と伏見地区、宇治市の天ケ瀬ダムでかわまちづくりを推進する。
淀川(大阪府域)分会では、橋梁架け替えや河道掘削、堤防整備などと併せて、下水道施設や貯留浸透施設などの整備を推進。中長期的には、阪神なんば線淀川橋梁の架け替え完了や、淀川河川敷の十三エリアと枚方エリアのかわまちづくりに取り組む。守口市では寺方ポンプ場を更新するため、DB方式による事業者募集を実施している。24年度に契約を締結し、31年4月の供用開始を予定している。
猪名川分会では、猪名川上流部の多田院地区などで築堤・護岸整備・橋梁改築を実施。出在家地区では河道掘削を行い、昭和35年台風16号洪水を安全に流す河道整備を完成させる。また、池田市で雨水貯留施設の整備を行う他、川西市で雨水管渠の整備を推進する。
木津川上流分会では、伊賀・名張・宇陀市街地で、河道掘削や堤防整備を推進。三重県伊賀市で、大戸川小田排水機場を整備する。