建設新聞社
2024/03/25
【東北・宮城】脱炭素先行地域PJパートナーズを設立
仙台市と市内に拠点を置く23の企業・団体は21日、脱炭素先行地域プロジェクトパートナーズを設立し、2050年のカーボンニュートラルの実現に向け決意を新たにした。定禅寺通エリアの既存業務ビル67棟の省エネ化・ZEB化を図るほか、既築住宅のリノベーション時に設備の補助などを行う。「109万市民の“日常”を脱炭素化」をキーワードに取り組みを進める。
市は環境省が募った脱炭素先行地域に応募し、昨年11月に選定を受けた。定禅寺通エリア(働く・集う)、泉パークタウンエリア(暮らす)、東部沿岸エリア(学ぶ・楽しむ)の3つのエリアでそれぞれ脱炭素化に向けた取り組みを展開する。24年度予算に関連費として38億9100万円を計上し、承認された。
具体的には、▽定禅寺通=業務ビルオーナーに改修を提案し、4月から省エネ・ZEB化の診断、8月から空調・照明などの設備補助、5月ごろから飲食店の生ごみをバイオマス発電の資源に活用、ケヤキの剪定樹と家庭のプラスチックごみを混合してタンブラーを製作▽泉パークタウン=高度なエネルギーマネジメント(DR/VPP)を既築住区で展開、8月から太陽光パネルや断熱改修などの設備導入補助を開始▽東部沿岸=4月から地下鉄東西線荒井駅にEVカー2台を導入し公共交通空白地帯の回遊性を高める―などを行う。
また東北電力と連携し、地産地消型の再エネ電力メニューを新設。全エリアで活用できるようにして、25年度からの運用を目指す。
東北電力や大成建設、七十七銀行、定禅寺通街づくり協議会など14者が共同提案者、守屋木材(仙台市)など9者が協力事業者となった。また、環境省東北地方環境事務所と宮城県環境生活部がオブザーバーとして参加する。
プロジェクトパートナーズ設立に当たり仙台市の郡和子市長は「先行地域の認定を受け、新年度から各種事業がいよいよスタートする。皆さんと強固に連携しながら着実に進め、脱炭素に向けた重要な一歩を踏み出したい」と期待を込めた。
議事では、既存ビル改修の難しさが取り上げられ、市職員がオーナーを訪問する際に定禅寺通街づくり協の会員が同行して理解を促すという案でまとまった。またプロジェクトパートナーズ内の運営委員会の委員長には筒井幸子環境局理事が就任した。
提供:建設新聞社