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北陸工業新聞社
2024/03/25

【石川】インタビュー/「能登半島地震、早期復旧へ総力戦」/建設業者、復興事務所と力を合わせて/北陸地方整備局金沢河川国道事務所長/桑島正樹氏

 元日に発生した令和6年能登半島地震は、県内の道路や河川、海岸施設などに甚大な被害を及ぼした。国土交通省では石川県からの権限代行要請に応えて、これらのインフラの復旧作業にあたっている。発災以降、最前線基地としての役割を担ってきた北陸地方整備局金沢河川国道事務所の桑島正樹所長に話を聞いた。
 ―第1報はどこで聞いたのか。
 「年末年始は大雪に備えて自宅がある北海道へは帰らずに県内にいた。逆に家族が正月旅行のために元日午後2時ごろ小松空港に到着したため、夕日を見ようと、北陸自動車道を加賀方面ヘ車を走らせていたところ、4時過ぎに地震速報と大津波警報が立て続けに飛び込んできた。加賀にいても尋常ではない揺れだったため、旅行を取りやめて事務所へ引き返し、その道中で各自治体首長や本局、事務所職員と連絡をとり続けた」
 ―事務所入り後は。
 「刻々と入る直轄の河川・国道の点検結果や自治体からの支援要請に対応し、給水車、仮設トイレなどを手配した。大動脈の能越自動車道穴水道路・輪島道路のほか、県が管理するのと里山海道の早急な復旧が難しいことが判明したため、各自治体首長や本局と連絡をとりながら、発災翌日の2日未明に派遣した道路状況調査班からの情報を踏まえ、まずは七尾市以北の輪島市、珠洲市役所、能登町役場へ通じる国道249号、珠洲道路の道路啓開を最優先に進めた。24時間体制での作業の結果、普通車は同日中に、大型車は4日までに通行可能とした。その後は内陸側と海側の両方向からアクセスルートを確保する「くしの歯作戦」による緊急復旧作業などを進めた。河川、砂防についても調査班を派遣し、ドローンにより河道閉塞の発生状況を把握できた」
 ―建設業者が復旧作業にあたっているが。
 「地元の県建設業協会や日本建設業団体連合会、県外の建設業協会からも応援をいただき、助かっている。今回の地震ではまずは地元の建設業者が自らが被災した立場でありながら、先頭に立って懸命に復旧作業にあたっていただき、頭が下がる思いだ」
 ―2月16日発足した能登復興事務所との役割分担は。
 「能登復興事務所は能越自動車道の穴水インター以北のほか、権限代行で国道249号沿岸部の本格復旧や沿線の地すべり対策、河原田川の河川・砂防事業、宝立正院海岸の復旧を受け持ち、当事務所は能越自動車道の穴水インター以南との県管理区間を担当することになる。両事務所が力を合わせて早期の復旧、復興に結び付けたい」

 くわじま・まさき 北海道大学・同大学院修了後、当時の北海道開発庁に。主に計画畑を歩む。国土交通省離島振興課長補佐、北海道開発局道路建設課長など歴任。

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