建通新聞社
2024/03/19
【大阪】万博協会 定例理事会で整備費負担など承認
2025年日本国際博覧会協会は3月13日、定例理事会を東京都内で開いた。理事会では、淀川左岸線(2期)整備の費用負担や、24年度事業計画・収支予算書などの他、最高財務責任者(CFO)を設置し、小野平八郎氏を充てることを認めた。合わせて、運営費と会場建設費の執行状況や大屋根(リング)のリユースなどの提案募集結果、23年度の活動事業概況が報告された。
淀川左岸線(2期)区間の整備費用の負担については、大阪・関西万博閉幕後に撤去する予定の整備箇所について、総額約33億円を上限に支出する。工事内容は舗装、盛土、仮桟橋、設備環境対策、撤去など。この他、通行管理業務や交通誘導員、保全管理などの管理費に約6億1000万円を支出する。
3月下旬に大阪市・阪神高速道路と基本協定書を結び、整備工事に着手。万博閉幕後に原状回復工事を行う。
会場建設費の執行状況では、23年11月末時点からの進捗を報告。設計完了に伴う工事契約変更で96億円、工事進捗に伴う契約変更で約6億円、計画通りに新規発注した工事の契約締結で約18億円、総額120億円を執行した。
〜大屋根のリユース、建設会社など20者が提案〜
大屋根(リング)のリユースなどについては、2月に提案書を募集。自治体や一般社団法人、学校、設計事務所、建設会社、木材加工メーカー、家具メーカーなど20者が提出した。
主に、@建物を構築するための骨組みになる構造材としての再活用(庁舎の門衛所や仮設住宅、歩行者デッキ、駅など)A構造材以外の活用(庁舎の内外装、ベンチ、喫煙所、遮音壁など)B大屋根(リング)の全部または一部の会場内への残置による活用(展望台として部分的に残すなど)―の提案があった。
〜大屋根解体は6月理事会で方向性〜
理事会後の記者会見で石毛博行事務総長は「大屋根は丁寧な解体が必要。6月の理事会で方向性のめどをつけ、解体準備がしやすいようにする。最終的には年明けごろにリユースなどの活用方法を決める」と今後のスケジュールを話した。
また、4月から残業規制が強まることについて聞かれた十倉雅和会長は「働き方改革は国を挙げての取り組み。きめ細かにスケジュールを調整し、コミュニケーションを密にして一つ一つ丁寧に生産性を上げていくしかない」と話した。
会場となる夢洲では、大屋根(リング)や国内パビリオンの建築が進んでいるが、50数カ国整備する予定の海外パビリオン(タイプA)の着工は8カ国にとどまっている。2月には日本建設業連合会の宮本洋一会長が、大屋根(リング)の完成によって他工事で使用する重機や機材の搬入に制約が生じるのではとの懸念を示している。