北陸新幹線福井・敦賀が16日、同時開業した。
この日早朝、県内の芦原温泉、福井、越前たけふ、敦賀の各駅において、開業を祝う出発式や開業式が盛大に行われた。
このあとも各駅では、開業を祝う多彩なイベントが繰り広げられた。
杉本達治知事は、1973年の整備計画決定から半世紀を経た悲願達成に対し感慨無量。2次交通の強化や、各駅周辺のまちづくりに、さらなる意欲を示す。中部縦貫自動車道では、県内区間の7割超で利用可能となり、冠山峠道路も昨年11月に開通するなど、幹線道路網の着実な進展に自信を深めている。
福井県建設業協会の山本厚会長は、100年に一度の機会で、大交流時代を迎える中、次世代を担う人材の確保と育成、会員企業の経営の安定化、建設業が魅力ある産業として益々発展するよう精一杯努力すると、決意を新たにしている。
福井商工会議所の八木誠一郎会頭は、北陸新幹線の開業で首都圏から約2倍の方が福井に訪れ、経済波及効果は309億円と推定。このチャンスを生かし、県と福井市などと連携し、まちの賑わい創りや、観光誘客などに鋭意取り組んでいく構え。社会経済の大転換期において、進取果敢な役割を担い、持続可能な福井を目指している。
福井県建築士事務所協会の木下賀之会長は、新幹線開業を機に、ますます新しい福井の町並みづくりや、景観形成に努力する構え。ことし10月に福井で開催する第46回建築士事務所協会全国大会の大成功も期している。
福井県コンクリート診断士会(山川博樹会長)の第137回研修会において、講師に招く鉄道・運輸機構の石川大輔北陸新幹線技術管理課長が、難産も含め、工事関係者の労をねぎらい、優秀な施工能力を称えた。深山トンネル(敦賀市)で縦断線形を高くすることで、地下水位の低下を抑えた。トンネルにおいては新技術のFILM工法を採用し、令和5年度のトンネル技術協会功績賞に輝く。電車線柱の耐震化では、スリップジョイント柱の開発を行った。東海・東南海・南海地震の甚大な被害も想定し、北陸新幹線は日本海側の国土軸を形成するとともに、東海道新幹線の代替機能としても重要な役割を担うと強調している。