建設新聞社
2024/03/15
【東北・福島】アンモニア輸送基地を検討/小名浜港の脱炭素計画素案公表
福島県土木部は、小名浜港港湾脱炭素化推進計画(2050年まで)の素案を公表した。この中でカーボンニュートラルポート(CNP)の形成を図るため、東港地区へのアンモニア輸送基地整備に向けた検討に入ることなどを盛り込んだ。
いわき市小名浜地内の小名浜港は、政府の「2050年カーボンニュートラル」に基づき21年にCNPの対象港に選定された。これを受けて小名浜港の管理者である県は、脱炭素化に必要な港湾機能の高度化や設備導入に向けた計画策定を国やいわき市、民間事業者と共同で進めてきた。
計画対象施設は、同港ターミナル内の荷役機械や管理棟、照明施設、ターミナルを利用する船舶、車両、同港利用企業の工場や火力発電所など。
主な取り組みとして、水素・アンモニアなど次世代エネルギーの輸入・移入・貯蔵の受入環境を構築するため、東港地区のアンモニア輸送基地や、既存の大水深岸壁を活用した水素・アンモニア拠点の整備に向けた検討に入る。また次世代エネルギーの受入に合わせ同港を利用する民間事業者は発電・生産施設などの整備または改修に取り組む。
なお、同港における次世代エネルギーの供給見込みは水素が50年に約47万d/年。アンモニアが30年度に約5・2万d/年、50年に約1560万d/年としている。
さらに省エネ型および燃料電池を採用した荷役機械の整備、自家消費用太陽光発電および再生可能エネルギー設備、Co2フリー電力の導入なども行う。港湾事業所内の照明LED化にも取り組むとし、25年度までに5事業所594灯、25年度以降に1事業所76灯で実施する。
素案についてのパブリックコメントは、土木部港湾課で4月12日まで受け付けている。
提供:建設新聞社