野洲市は、計画している北野小学校長寿命化大規模改修事業について、新年度から修正設計業務に取り掛かり、25年度(令和7年度)から工事着手し、28年度(令和10年度)内の完成を目指していく考えだ。
修正設計業務発注時期は現在検討中。過年度に豊建築設計事務所(長浜市)が担当した校舎増築等設計業務の修正を実施することに加え、仮設校舎のあり方についても見通しを立てる方針だ。
主な工事内容は、野洲市市三宅240に位置する同小学校敷地内にある校舎と体育館の各種長寿命化整備及び仮設校舎の設置等。校舎はRC造3階建、延約5287平方bの教室棟等を対象に、内・外装のやり替えや屋根の防水工事、床、黒板掲示板・サイン工事などを実施する。体育館は、S造平屋建、延1190平方bの大規模改修工事を行う見通し。発注方法などは現在のところ未定。今後検討していくとのこと。予算にもよるが過去の実績を鑑み、建築・電気設備・機械設備の3件分離で発注を想定している。
なお、当初予定していた教室不足解消を目的に既存校舎一般棟にS造2階建、延1600平方bの校舎を増築する計画は一旦白紙となった。今後は、関係者らで協議・検討を重ね、適正な方向性を見つけていく。
同小学校は、昭和58年建設と40年近くが経過し、老朽化が進行している。平成21年に体育館屋根改修工事、平成26年に校舎増築工事を行うなど、適時に必要工事を実施しているものの、全体的な整備が必要との考えから過年度に同事業を計画。新年度から修正設計業務に取り掛かり、本工事へと進めていく。
関連して、市は学校施設を総合的観点で捉え、老朽化の状況を早い段階で把握し適切な予防・保全による長寿命化を推進するとともに、これまでの改築中心の手法に要するコストの縮減と財政負担の平準化を図ることを目的に、平成26年に「野洲市小中学校施設保全計画」を策定している。内容を見ると、校舎及び体育館等を従来の改築前提の修繕・改修を今後も続けた場合のコストは、今後40年間で306億円(7・7億円/年)必要と試算している。直近5年間の施設関連経費約6・8億円/年を約1・1倍上回ることが見込まれる。特に令和14年度から令和23年度の10年間における施設関連経費は、9・9億円/年と事業費が増加する見込みから、財政負担軽減策として長寿命化整備を推奨。予防保全的な改修を実施し、改築(建替え)から長寿命化による改修へと方向性を変更し、原状回復のための大規模改造等についても考慮したうえで部位改修を併用した整備を行う考えを示している。
提供:滋賀産業新聞