横浜市は、2024年度当初予算案の一般会計に工事の平準化に関連して、約60億円を上限とする債務負担行為(25年度)を設定した。23年度に比べて約7億円の増となった。24年12月〜25年2月に、年度をまたぐ工事を発注する。年度末に納期が集中しないようにして、建設業の働き方改革を後押しする。
局別の内訳は、▽道路局(29億8900万円)▽建築局(11億円)▽教育委員会(10億5000万円)▽環境創造局(5億6000万円)▽資源循環局(2億5000万円)▽港湾局(3300万円)―となっている。
市は年度をまたぐ工事として、平準化工事とゼロ市工事を運用している。平準化工事は12月から、ゼロ市工事は25年1月から発注を開始。いずれも契約年度内に着工し、閑散期の4月に現場を動かすことができる。
平準化工事は、工期1年未満の案件が対象。契約時に前払い金を支払う。年度末にある出来高部分払いのための検査は省略する。
23年度に道路局で試行した。24年度は、道路局の他、建築局や環境創造局、港湾局、資源循環局、教育委員会でも発注する。
ゼロ市工事は、契約年度の3月31日までの余裕期間の間で、落札者が工事の開始時期を決められる。ただ、前払い金の受け取りは、次年度に入ってからとなる。
公共工事は年度末に納期が集中するため、建設業に従事する所員の労働時間も大幅に増加。若い所員が退職する一因になっているという。
一方で、4〜6月は業務が少ない閑散期となる。年度当初に発注した工事の契約は早くても4月末、工事着手は5月となるなど、公告・契約から現場に入るまでに時間を要するためだ。
平準化工事など年度を繰り越す工事を増やすことで、建設業の労働時間にある偏りをなくす。
市は年度の工事平均稼働件数に対する4〜6月期の工事平均稼働件数の割合(平準化率)を0・8以上にする目標を示している。22年度は0・68となっているが、23年度は0・8以上の数値となる見込みだ。
提供:建通新聞社