徳島県病院局は、県立三好病院の新外来棟整備基本構想案をまとめた。計画では、2027年度から建築工事を開始する予定。これに伴い24年度に基本計画、25年度に基本設計・実施設計を進める。新外来棟の完成後、現外来棟の解体と駐車場整備を29年度以降に行う。
新外来棟は現外来棟の北側駐車場に建設する。規模は、現在の外来棟(鉄筋コンクリート造2階建て延べ3876平方b、1972年完成)と同規模を想定しており、既存施設の活用も検討する。既存の高層棟、救命救急センター棟と一体的に運用できるように整備する。基本方針として、視認性を高めてプライバシーを確保し、ユニバーサルデザインを採用する。将来的な医療需要変化にフレキシブルに対応でき、災害や新興感染症などの有事やあらゆるフェーズの際にも医療機能を維持して対応できる環境にする。病院全体で部門配置の最適化を図る。
構想案では、現外来棟の問題点として診察室と付随する諸室の狭さ、電気・空調・給排水設備の老朽化、感染症対策とプライバシーへの配慮が不十分な点を挙げている。現建物は1階に受付、医事室、各外来診療科、薬局、検査室、患者支援センター、相談室、2階に院長・事務局長室、事務室、診療情報管理室、多目的ホールがある。病院全体のベッド数は220床(一般186床、緩和ケア20床、結核8床、第2種感染症6床)。
県は24年度、新外来棟基本計画策定事業費2000万円で、担うべき機能や規模、施設・設備などの基本計画を策定する。四国中央部の拠点として救急医療、フルセットのがん医療、関節脊椎分野の最先端手術などを提供し、高度急性期から回復期までシームレスな医療を安定的に提供していく予定。
新外来棟基本構想策定と経営改善支援業務は日本経営大阪本社(大阪府豊中市)が担当した。病院の所在地は三好市池田町シマ815ノ2他。
提供:建通新聞社