日本ガイシ(名古屋市瑞穂区須田町2ノ56)は、半導体向けの絶縁放熱回路基板の生産能力増強に向け、NGKセラミックデバイス(小牧市)など子会社2社の工場へ、約50億円を投資すると明らかにした。月間生産能力を2026年度までに現在の2・5倍とし、30年度の売上高200億円を目指す。
投資の対象となるのは、基板の接合などいわゆる「前工程」を担当するNGKセラミックデバイスと、エッチング・めっきなどの「後工程」を行うNGKエレクトロデバイスマレーシア(マレーシア・ペナン州)。2拠点の製造設備を増強することで、月間生産能力を現在の約10万枚から26年度に約25万枚へと引き上げる。
今回、日本ガイシが生産能力の増強を図る窒化ケイ素製絶縁放熱回路基板は、モーターの駆動制御などの役割を担うパワー半導体モジュールに使用される。半導体の駆動時に発生する熱を逃がす特性を持っており、近年は電気自動車(EV)など車載向けに需要が拡大している。同社は今後、さらなる需要増を見込み、欧州での生産拠点も検討しているとした。
提供:建通新聞社