神奈川県県土整備局は、建築計画概要書などを電子化し、閲覧や交付作業を簡便化する。業務を担当している県内五つの土木事務所に専用の端末を設置し、閲覧者自身が操作するシステムを構築。閲覧者の待ち時間の短縮や、窓口の業務負担の軽減を狙う。現在は、システムのネットワーク化を進めており、24年秋の利用開始を目指す。また、電子化したデータをクラウド化し、インターネットから閲覧できるシステムの開発も今後検討する。
県では、横須賀・平塚・厚木・厚木東部センター・県西土木事務所で建築計画概要書などの閲覧や交付を行っている。現在は、土木事務所の窓口で閲覧希望者から建物についての情報を職員が聞き取り、紙で保管している建築計画概要書を探し出すという形で対応しており、写しの交付には1件当たり20分程度かかる。窓口が混雑している際にはさらに時間を要することから、利用者の待ち時間の短縮が課題となっていた。
建築計画概要書の交付数は22年度で約7700件、記載事項証明書の交付数も合わせると1万4500件を超えており、年々交付数が増加している。対応する技術職員が閲覧・交付業務に忙殺され、専門業務の遂行のために時間外労働を余儀なくされていることからも、デジタル化が喫緊の課題だった。
閲覧交付システムは、タッチパネルなどの専用端末を使用して住所や地図から建物を検索・選択し、課金機に交付手数料を投入する仕組み。執務室側に設置するプリンターから写しが排出され、窓口で職員から受け取る形式だ。交付にかかる時間は5分程度にまで短縮でき、交付手数料を収入証紙で納入する手間が解消される。
システムの導入後は、各土木事務所の所管区域以外に所在する建物の概要書も閲覧・交付することが可能になる。利用開始時には現金のみの対応とするが、クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレス対応も今後実施していく予定だ。
提供:建通新聞社