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建通新聞社(神奈川)
2024/03/08

【神奈川】県 県庁本庁舎リニューアルを検討

 神奈川県総務局は、県庁本庁舎のリニューアルを計画している。2024年度に改修工事に向けた調査を委託する予定で、委託時期を調整している。24年度当初予算案に改修工事設計費として2400万円を計上した。調査・設計を24〜26年度に進め、27〜29年度の3カ年で工事を行う計画だ。事業の概算額は31億4000万円を見込む。
 県庁本庁舎は1928年に竣工。鉄骨鉄筋コンクリート造地下1階地上5階建てで、塔屋は9階。延べ床面積は1万8323平方b。国の重要文化財に指定されており、知事が執務する現役の庁舎としては国内2番目に古い建物になっている。
 築100年が迫る本庁舎は老朽化が著しく、天井や壁の塗装が剝がれ落ちるなど劣化が深刻な状況だ。冬季には外気が入り込む1階や廊下の温度が下がり、夏季には階によって室温が異なるなど、建物の断熱性が低いため冷暖房の効率が悪くなっている。県庁舎には他にも新庁舎・西庁舎・東庁舎などがあるが、これらの庁舎と比べて本庁舎の執務環境が悪いことが問題となっていた。
 リニューアルでは、文化財の価値の保存や保全を図りつつ、職員が働きやすくなるよう職場環境の改善を目指す。本庁舎全体を対象とし、主に内装や設備面を更新したい考えだ。
 本庁舎が創建当時にどのような姿だったのかを調査し、リニューアルの内容を決める。壁の塗装は部分的に補修や塗り直しが行われているため、現在の塗装の下に創建時の塗装が残っているかを確認する。また、古い管や使用していない管が残っている可能性がある配管、不陸が発生したり一部の補修で色が異なっていたりする床なども調査の対象にする。
 改修では、天井や壁、床の補修の他、給湯設備や空調設備、照明器具や配線器具の更新・交換、窓サッシにペアガラスを採用することなどを考えている。
 今後は文化庁と協議を重ね、リニューアルに向けた保存計画の策定や改修内容の検討などを行う方針だ。


提供:建通新聞社