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建設新聞社(長崎)
2024/03/08

【長崎】長崎県建設業協会が初の会員実態調査 8割以上が給与を引き上げ

半数以上が4週8休実現
   アクションプランを着実に推進


 (一社)長崎県建設業協会(根〆眞悟会長)は、担い手確保と働き方改革に関する会員企業の実態調査を初めて実施。2023年度に会員企業の84・2%が給与を引き上げ、39・5%が前年に比べ休日を増やすなど、取り組みが進んでいる状況を示す結果となった。


 長崎建協では、喫緊の課題である担い手の確保・育成を強力に推進するため、▽新規入職者の初任給・職員給与を、23年度から会員企業平均で年あたり1・5%以上の上昇、その後3年間で概ね5%以上上昇▽すべての会員企業で、24年3月までに完全4週8休制を実施▽協会ホームページを抜本的に改善し、広報強化などにより会員企業の新規採用者を対前年度比で増加―することを目指すアクションプランを策定。これらの取組の原資とすべく、最低制限価格を92%に引き上げるよう、23年2月に県に要望を行った。

 県では、23年度から最低制限価格の引き上げを決定。建協としても、アクションプランの中で、会員の取組実態を毎年調査し、客観データとして把握することを約束していた。今回の調査はこれに基づくもの。調査期間は24年1月4日〜1月31日で、回答数は269社(回答率80・5%)。

 調査結果のうち、23年度に給与(年間支給額)を引き上げたのは84・2%の219社。引き上げ率を見ると、2〜5%が98社(38%)で最も多く、0〜2%が76社(29%)、5%以上引き上げた企業も45社(17%)あった。一方で、0%以下(引き下げ含む)も41社(16%)ある。24年度に給与を引き上げ予定の企業は129社。

 休日について見ると、23年度の休日(社内規定ベース)を、前年度に比べて増やしたのは104社(39・5%)。4週8休を実施しているのは84社(32%)、完全週休二日も60社(22%)で、これらで半数以上を占めている(残る46%が4週4休〜4週7休)。24年度の休日を、本年度より増やす予定の企業は116社(42%)。

 残業規制に対する取り組み内容(複数回答)を見ると、▽職員数の増員が141社、増員予定が78社▽休日を増やしたのが106社、増やす予定が69社▽書類のデジタル化が99社、デジタル化予定が106社―などとなっている。

 23年1年間の採用・退職人数は(カッコ内は女性)、▽土木技術者―新卒122(9)、中途84(4)、退職120(1)▽建築技術者―新卒60(9)、中途34(5)、退職48(1)▽技能者―新卒53(2)、中途162(5)、退職159(3)▽営業・管理者―新卒54(28)、中途102(65)、退職83(40)―で、採用者数から退職者数を引くと、全体で261人(82人)増えた格好だ。会社数で見ると、新卒の土木・建築技術者を採用したのは65社で全体の24・2%。一方で、中途採用をしたのは、倍近くの128社で47・6%を占めている。

 ICT/DXを既に取り組んでいるのは33・7%、具体的に取り組む予定ありが3%、今後取り組みたいが34・9%、取り組む予定なしが28・4%。

 情報共有システムは、長崎建協が推奨している「電納ASPer」を利用中・利用予定が33・6%、他システムの利用が14・72%、利用していないが51・7%。

 遠隔臨場システムは、21・9%が利用、利用したいも32・4%ある一方で、利用する予定なしの回答も45・7%あった。
ksrogo