福井地質調査業協会がことし創立20周年を迎え、2日に記念式典が行われた。福井市西木田2丁目の福井商工会議所で。協会では、今後も職能(専門性)を発揮し、地域の安全安心に貢献していきたいとしている。
田中謙次会長が冒頭挨拶し、20年の歩みを振り返った。地質調査業界においては、とりわけ高品質なボーリングの技術革新が顕著。地下構造物の調査で、より精密なデータ提供が可能となった。
地中レーダ探査技術を用いたコンクリート構造物の配筋探査や、ボアホールカメラ技術の向上。ドローン(UAV)は地質調査の精度を大幅に上げた。今後も、地盤を調べるさらなる専門技術の磨き上げを誓っている。
県協会では、2010年に福井地質図10年版を発行。21年には、福井の地盤−福井平野(福井地盤図)を発行し、建設、資源、防災、学術などの分野で重要な基礎資料に役立てた。今後は、地質情報のオープンデータ化に取り組み、都市防災や技術者教育に貢献したい考え。
来賓は、県の田中秀樹土木部長が知事祝辞を代読。福井県立大学の岩崎行玄学長も、地質業の発展を祈念した。橋本亮福井河川国道事務所長、掛下知行福井工業大学学長、小嶋啓介福井大学学長補佐、長谷川章福井工業高等専門学校校長、中西誠一郎福井県測量設計業協会会長、宇野和典日本補償コンサルタント協会近畿支部福井県部会会長、小宮国盛関西地質調査業協会理事長が壇上参列した。
特別講演「恐竜と地質」を聴く
特別講演は、テーマを「恐竜と地質」とし、田中真士氏(ダブルヘリックス代表、愛称・恐竜くん)が、恐竜の不思議を紹介した。続いて、県立大学の西弘嗣恐竜学研究所長が「福井恐竜学−新しい恐竜像を探る」について話し、恐竜と地質の関係性から、学ぶ楽しさや魅力を伝えた。
閉会挨拶は、建石裕嗣総務委員長が務め、行政機関や関係団体の協力に感謝した。
今企画は、福井県建設技術公社が共催。会場には、80人超が参加し、節目を祝った。